ポートセルミの箱

ウイスキーのテイスティングをつらつらと。整理整頓中。

ロイヤルサルート 21年 80年代流通?

ラベル情報:

ROYAL SALUTE

BLENDED SCOTCH WHISKY

21 YEARS OLD

43°

CHIVAS BROTHERS

 

香り:甘酸っぱい、上品なオールドシェリー樽熟成の甘みが来て、モルティかつミルキーな甘みがふくよかに来る。穀物ちっく。焦がした砂糖、蜜糖、ベリー系のジャム。焦げ草。薬草のヒントも。

ミルキーな麦芽の甘み、ベリー系の果実、喉が鳴る魅力的な香り。

味わい:熱をいれた苺、砂糖。焦げ感。ミントの爽やかさ。籾殻、モルトの甘み。オレンジゼスト。グレーン由来と思われるなだらかな甘さ、ミルキー。えぐみ。煙草やコーヒー豆、オークスパイスが小気味良く、フィニッシュまで甘酸っぱい。中間までの食感に反して余韻はスッと抜ける印象。

酸味あるフルーツとまったりとした旨みを味わえる。

好み:★8 84

 

 

雑感:旨みがあると感じました。

甘みもありますけど、溶けた旨み。

モルトの旨み、もっと広く穀物種全体の旨み。ミルキー

 

複層的でもあり、ひとつの層が厚いような。

そう思えば、優しい甘みと甘酸っぱさが混ざり合っているとも感じる。

そんな印象。

 

グレーンの質が良いのでしょうか。

詳しい方の話を伺いたい気持ちがあります。

 

ちなみに、開封直後は甘酸っぱいフルーツがメインと感じました。

開封1週間で印象が顕著に変わって、興味深い体験でした。

 

 

 

とても良いボトルです。

ですがその唯一最大の欠点は、ボトルの口径!

先ほどコルクが破損したのですが、合うものがない!!!

 

どうにかひとつ見付けられましたが、移し替えも検討するところでした。

 

 

開封される際には、ご注意ください。

 

 

 

 

 

リンクウッド 27年 1992 ニンフ:ブルーダン ハリーズ高岡

ラベル情報:

LINKWOOD

Aged 27 years

1992

Hogshead

Cask No.5282

46.9%

Specially bottled hor Harry's Takaoka

The Nymph

Blue Dun

 

香り:果物の枝木。黙想。林檎やアプリコット。ファイバーパイナップル。溶剤っぽさ。シロップのニュアンス。

味わい:籠もったようなバニラ。焦げた草むら。シロップ、海藻、濡れた焦げ感。灰。瓜系のフルーツ。ソルティ、そして機械油、微かに梅ジャムも感じる余韻。

好み:★7 71

 

 

【オフィシャルのテイスティングコメント】

香り:素直で柔らかな香り立ち、強い樽のバニラ、アプリコットの皮、白桃、白ブドウの皮、蜂蜜、少しのワックス、金平糖、グレープフルーツゼスト、グレープフルーツの綿。

味:ミディアムボディ、度数よりもしっかりとした印象、優しいアプリコットと白桃、少しのワクシーさ、グレープフルーツゼスト、グレープフルーツゼリー、心地良い樽のタンニンと柑橘類の皮のようなアクセントと余韻。

総評:十分な熟成期間を経た長熟スペイサイドモルト。香味ともにグレープフルーツのような柑橘感的で、度数のイメージよりもしっかりとした飲み応えのある1本。

 

 

反芻:自分が感じたピートっぽい気配は、なんだったのでしょう。チャーされた樽のそれなのかな。もやもやします。

恥ずかしいところもありますが、正直に載せました。

 

 

雑感:一期一会とは分かっているけれども

次回に行った際には無くなっていました。

 

カスクストレングスで46.9%の度数落ち。

もっと美味しく感じられるような気がしたのです。(まさに、情報を飲んでいる考え方ですが)

 

オフィシャルのテイスティングコメントと合わないところもありましたし、次回には体を整えて味わうと心に留めていたのですが…

 

 

後悔の念が残る結果になってしまいました。

 

もう一度どこかで出逢えたらと願っています。

 

 

 

 

 

バッファロートレース

ラベル情報:

BUFFALO TRACE

KENTUCKY STRAIGHT BOURBON WHISKEY

45%

 

香り:なめらかな甘い香り、シロップやハーブ香。ハイトーンの樽香、バニラや林檎の芯。針葉樹。

甘い樽香、爽やかなトゲがある香り。

味わい:甘い樽香、硬い水飴、薬草と蜂蜜、のど飴、ケミカルな甘さ。樽由来の渋み。バニラやシダ植物、針葉樹林。ミントと蜜っぽさ。余韻に浮かぶのは甘い焦げ感。

甘やかな樽の香りを愉しめるウイスキー

好み:★7 72

 

 

【オフィシャルのテイスティングコメント】

バニラ、ミント、糖蜜のアロマを持ち、複雑で力強い贅沢な味わい。

 

 

反芻:“複雑で力強い” は間違いないと思います。個人的にはその後に『かつ分かりやすい』も付け加えて欲しい印象です。

 

 

雑感:手元に1本置いておきたくなるボトル。

このバッファロートレースや先日のジャックダニエルのようなボトルを味わうと、

自分が何故アメリカンを苦手となったのか分からなくなります。

 

このボトルが空になったら、同じバーボントレース蒸留所で作られているブラントンを1本購入しようかな。

 

 

 

 

昔のアメリカンが美味しい理由。

それは、樽になるオークの樹齢が今と昔で全く違うから。

 

そんな話を聞いたことがあります。

 

確かに納得できます。

熟成期間中に樽から成分が染み出てくるわけですから、樹齢によって樽の個性も変わって来ようというもの。

 

バーボン樽を使用するスコッチやジャパニーズにも影響がありますよね。きっと

 

 

樽のトレーサビリティとかあったら面白そうです。

数年単位、十数年単位で動かない情報でしょうけども(笑)

 

例えば三郎丸蒸留所は、富山県産のミズナラを使用した樽を作成しているそうですが、

ラベルの情報に樽材の樹齢が載った1本が販売される日が来るかも知れませんね。

 

 

 

 

 

ジュラ 14年 2006 T&T TOYAMA ワンダーオブスピリッツ

ラベル情報:

JURA

AGED 14 YEARS

DISTILLED IN 2006

BOTTLED IN 2021

MATURED IN A BARREL

#1636

54.8%

WONDER of SPIRITS

T&T TOYAMA

 

香り:オレンジピール、華やかな香り。草原。ライトな木の香り、溶剤っぽさ、冷たいアルコールのニュアンスも顔を覗かせる。

味わい:ジューシーかつモルティ。オレンジピール、麦汁。洋梨。繊維質なパイン。潮気。焦げ感。牧草、花の印象。高い位置にハッカ。どこか若さを感じる。

好み:★7 75

 

(上の約半年後)

香り:華やかな香り、オレンジピール。フラワリー。軽い樽香、溶剤っぽさもあって。落ち着いた麦芽感も。爽やかさと籠った甘みが混ざり合っている印象。

味わい:砂糖漬けのオレンジ、水飴。程よい渋み。その後ろからモルトの甘みがじっくりと。牧草。軽やかな樽香、蜂蜜。ミントも。

好み:★7 77

 

 

 

【オフィシャルのテイスティングノート】

香り:レンゲのハチミツ、白い花、ライチのような薄い紫色の果物のヒント、豊かなバニラとカスタード、優しく上品なウッディさ、グレープフルーツゼスト、砂糖をまぶしたゼリー菓子、生姜パウダー、奥に果汁100%のストレートのリンゴジュース。

味わい:瑞々しさのあるミディアムボディ、レンゲのハチミツを思わせる豊かで妖艶な甘み、ライチのヒント、グレープフルーツゼスト、やさしいウッディさ、後口はややドライだがバランスが取れている。

総評:ジュラのもつ妖艶な花やフルーティさとバーボン樽由来と思われる甘さや香りがマッチし、14年物としても纏まりが良い。

2000年代のジュラの魅力や可能性を気づかせてくれるチャーミングな1本。

 

 

反芻:“砂糖をまぶしたゼリー菓子” “生姜パウダー” に膝を打ちました。“レンゲのハチミツ” も伝わってきます。言われると、なぜ気付かなかったのだろうと。

自分の感覚の未熟さを実感しました。

 

 

雑感:記事が渋滞を起こしているので2回分纏めてになります。

ブログの更新頻度を上げたのが最近なので、ノートのストックだけは溜まっていて。

 

あまりに間が空くと記事を上げるか悩ましくなります。自分の感覚も成長していると信じているので

 

 

 

それはさて置き、中身の話。

良い意味で、香りからのギャップに驚きました。

香りから想像したずっと上をいく味わい。

ジューシーでモルティで

 

口に含んだら、鼻腔も目覚めたのでしょうか。

香りもしっかり感じてきて。

 

 

次回にまだ残っていたら、必ず飲みたいと思っている1本です。

 

 

 

 

追記(23/04/23):

 

まだ残ってくれていましたw

 

香り:始まりは甘酸っぱくケミカルフルーツ香。その後ろからまったりとしたモルトの甘みが流れてくる。焦げた籾殻。オレンジの皮、砂糖、溶剤のニュアンスが微かに。粉っぽさ、糊っぽさも感じる。

ケミカルな甘み、お菓子のようなフルーティ。

味わい:燻したモルト。生姜。すりおろした林檎。ファイバーパイナップル。濾したジューシーさ。焦げ感。白胡椒のようなスパイス。白米、白い花、爽やかなハッカと落ち着いた樽香が両立するフィニッシュ。

トロピカルとはまた違う繊維質なジューシー。生姜のアクセントも魅力。

好み:★7 78

 

 

雑感:やはり美味しいモルトでした。

繊維質でジューシーなテクスチャーが琴線に触れる感じ。

ケミカルな甘みと生姜なスパイスのバランスもとても良く。

 

飲めて良かったです。

 

 

また、テイスティングの反芻もなかなかに満足な結果でした。

過去の自分を残したまま、オフィシャルのコメントにも近付けたような気がします。いかがでしょうか?

 

 

 

 

 

ジャックダニエル シングルバレル バレルストレングス バレルNo.18-7840

ラベル情報:

JACK DANIEL'S

SINGLE BARREL

BARREL STRENGTH

TENNESSEE WHISKEY

BARREL No. 18-7840

BOTTTLING DATE 10.24.18

64.5%

 

香り:バニラと林檎、ニスを塗った家具。糊っぽさ。ミント、砂糖、トーストされた樽の甘やかな香り。

爽やかに甘い樽香が愉しめる。

味わい:高級家具、トーストされた樽の印象。クローブ、渋み、冷たいスパイス。その下から硬い甘さ、砂糖、エステリー。メロンの皮、シトラスの搾り汁(種を感じる)、ミント。煙草のヒント。飲み込んだ後には樽由来の蜂蜜とバニラがゆっくりと浮かんでくる。長い余韻、何処か野性味を感じるよう。

丁寧に樽の品質が伝わってくる。力強くケミカルにエステリー。

好み:★7 75

 

 

雑感:『評価』をするのだったら、★8 に届くと思います。

アメリカンが得意ではない自分ですが、品質の高さにほころびました。

 

存在感のある樽の印象。でも圧力はなく高級感すら感じる。

複数種ある甘さは、交わるというより、それぞれがまっすぐに伸びてくるよう。

杯を重ねていくと、スパイシーな刺激が心地よく。

 

丁寧な作り という言葉が自然と浮かんできます。

アメリカンウイスキーといわれてイメージするテクスチャーを、そのまま高級にした印象。

 

好きな人はとても好きになる、とても出来が良いボトル。

 

 

 

友人にも紹介したくなりますね。

その際には、度数を伝えずに飲んでもらいたいかな。

 

 

 

 

追記(23/12/16):

香り:爽やかな甘さ、スパイシー。クローブを強く、その後からジンジャーや白胡椒を感じる。ニスを塗った家具の存在感。ミント。シロップ。白木の印象。樽のトースト感が伝わってくる。

味わい:甘やかにスパイシー。白胡椒、クローブ、オーキーな苦味。樽の焦げ感。なめらかな口当たり、蜂蜜、ミントジュレ。溶けたバニラ。余韻はやはりオークスパイス、力強い。

紫色の印象。

好み:★7 75

 

 

雑感:加水には加水の良さ、ストレングスにはストレングスの良さがありますね。

同じくシングルバレルの加水ボトルを味わってそう感じました。

 

どちらを好むかは、本当に個々の好み。

きっと体調によっても揺らぎそうに思います。

 

その位、同じで違うもの。

 

 

良い経験になりました。

 

 

 

(よろしければ)

 

自分では、この2本は同時購入出来ませんし

外で飲み比べるのも(自分の行動範囲では)難しそう。

 

オフィシャルのボトルを色々と攻めてみた今回のフェス東京。

悪くない方針だったと思います。

 

 

 

 

 

イチローズモルト 秩父 3年 2009 信濃屋 ちび樽

ラベル情報:

Ichiro's Malt 秩父

CHIBIDARU

3years old

The Original Quarter Cask

CASK #291

Distilled 2009

Bottled 2012

61%

Shinanoya Private Cask 5th Anniversary

 

香り:まろやかな甘み、蜜蝋。軽やかな樽香。バナナ、焼き林檎。

味わい:デーツ、焦げ感。焼きバナナ。スパイシー、シナモン。白木の印象、樽材のクセ。砂糖とシナモンのフィニッシュ。ドライ。

好み:★7 71

 

 

雑感:遠い昔に飲んだ記憶があります。

記録は残していませんが、

コクがあって、樽感が強かった印象が漠然と残っていました。

 

今回味わってみて、

コクがあるのは本当。モルティでしっかりとした酒質が咥内に拡がります。

樽感が強いのは微妙。というのも、もっと圧力があるものと予想していたから。

 

記憶は曖昧なものなので、ちび樽という名前から記憶をスライドさせてしまった可能性もあります。

 

当時なにかしらのテイスティングノートを残していれば、今の自分のものと比べられて面白かったのに…

惜しいことをしました。

 

 

 

 

テイスティングノートといえば。

先日、Twitter界隈に 素人がテイスティングノートを記録することが気に入らない と怒っている人がいて驚きました。

どんなものにも腹を立てる人はいるものです。

 

私の場合は、自分なりに言葉にするようにしたら、記憶に残りやすくなったように感じています。(読み返して思い出せるきっかけになることも)

また、好き嫌いの傾向について、この表現があったら自分の好みのボトルの可能性が高いと感じるコメントもいくつか出来ました。

 

結論、私はノートを残し始めて良かったです。

 

 

同じカウンターに座っている人やカウンター越しに立っている人に陰で嘲笑されているのかもと考えると怖くなりますが。

 

もう仕方ないですね。

これが私のウイスキーの愉しみ方です。

 

 

 

 

 

ジュラ 8年 ピュアモルト 70年代流通

ラベル情報:

ISLE OF JURA

PURE MALT

GUARANTEED 8 YEARS OLD

40°

 

香り:葡萄、長熟のブランデー樽のような香り。生きた蜂蜜。トロピカルフルーツ、パッションフルーツグアバ、バナナ。さくらんぼの種。炒った籾殻、ふくよかにモルティ。ニッキも。

たまらなく魅力的なオールドモルトの香り。

味わい:麦芽の生っぽい香りがもわんと拡がる。白い甘み。埃っぽさ。微かにメンソール。蒸した紅茶葉。黄金色の蜜。葡萄、パッションフルーツ。枯草。豆殻。苦味。余韻にはしっかりとした樽のイメージが浮かぶ、その甘みと渋み。

好み:★9 90

 

 

雑感:THE SHARE BAR で出逢ったものと年代違い。

あちらは80年代流通、こちらは70年代流通。どちらも販売店の情報を基にしています。

 

あの1杯ですら魅力に溢れていたのに、今回はさらに活き活きとした印象がプラスされた素晴らしい香り。

味わいにも抜けたところはなく。複数のフルーツ、麦芽の主張、樽の印象。

 

40%という度数すら、次の1杯を誘う魔性の個性。

これでいいのだ と感じられます。

 

オールドスタンダードボトルの魅力溢れる1本です。

 

 

 

この先、もっと開いてくるのでしょうか?

加水ですし、魔法の季節は短いような気もしますが…

 

チャンスは逃がさないようにしなくてはいけません。

 

 

 

 

(よろしければ)