ポートセルミの箱

ウイスキーのテイスティングをつらつらと。整理整頓中。

オルトモア 12年 2010 ダグラスレイン:オールドパティキュラー

ラベル情報:

AULTMORE

12 GLORIOUS YEARS OLD

DISTILLED OCTOBER 2010

BOTTLED MARCH 2023

CHAREGED FROM A REFILL HOGSHEAD   REF - DL17237

48.4%

OLD PARTICULAR

DOUGLAS LAING'S

 

香り:とても綺麗で丁寧な甘い樽の香り。モルティ。葡萄を思わせるフルーティさ。生クリーム。氷砂糖。仄かに乾燥させた牧草も顔を覗かせる。

味わい:香りに反してしっかりと力強い口当たり。オーキー、木香と渋みが伝わってくる。生クリーム、赤い果実の種。水飴。生姜やクローブ、胡椒。フィニッシュはドライ、シェリー樽熟成の良い香り。

好み:♡7 77

 

 

【オフィシャルのテイスティングコメント】

NOSE: Big and meaty reflecting its dark colour, shifting to forest smells 

(香り:濃い色味をそのまま体現するような、濃厚で肉厚な香りから、次第に森林の香りへ変化する)

PALATE: Interestingly sweet and sour, oaked and gristy, minted and smoked

(味わい: 興味深い甘酸っぱさ、オークとグリスト、ミントとスモーク)

FINISH: More (chocolate) mint plus barley, then honey on lightly burnt toast (FHL)
(フィニッシュ: さらに(チョコレート)ミントと大麦、そして軽く焦がしたトーストに蜂蜜)

 

※ラベルより

 

反芻:どうでしょうか?大きくズレてはいないと思うのですが、同じでもないですよね。中でも “グリスト” がどこを指しているのか気になります。口当たりでしょうか?

というか、オフィシャルのコメントを読んでも美味しそうに感じませんね(失礼)

 

 

雑感:シェリー樽熟成が好きになりそうなボトル。

濃厚にも関わらずいやらしくないシェリー樽香。素晴らしいです。

 

逆に加水すると、ヤなところが出てくるのでオススメしません。

そのままが絶妙なバランスということでしょう。

 

 

かなり好ましいボトルでした。

ビギナーの方に紹介したくなる1本です。

 

 

 

 

 

カーデュ 12年 89年頃香港流通

ラベル情報:

CARDHU

MATURED 12 YEARS

43%

 

香り:麦の優しい香り、クリーミー。蜜飴。ミルク。優しい煙、籾殻。ラフランス、瓜、仄かながら瑞々しいフルーツを感じる。

味わい:麦芽穀物の甘み、薄く蜂蜜。籾殻の煙と苦味。クリーミーオークスパイスのアクセント、生姜や胡椒。殻のままの麦を感じさせる余韻。

口に含んでから余韻まで、柔らかくて優しい麦のお酒。

好み:♡7 78

 

 

雑感:やはりオールドなカーデュは美味しいです。

優しくて、でもしっかりと麦の味がしてとても好ましい。

 

良いですね。

 

今が自分の老後なら、こんなボトルと寄り添いながら夜を過ごしたいです。

 

 

当時リアルタイムでの評価はどのようなものだったのでしょうか?

 

 

 

 

ロックでも飲ってみたいな。

 

 

 

 

 

スペイサイド 8年 2015 バー・カスク 10周年記念 ウイスキーファインド バー・カスク&シャムロック

ラベル情報:

SPEYSIDE

Aged 8 Years

Distilled 2015

Bottled 2023

Matured in a Bourbon Barrel  Cask No. 1608

58.3%

Bar cask 10th ANNIVERSARY

THE WHISKYFIND

shamrock

Bar cask

 

香り:青林檎、生姜やクローブ、氷砂糖。カレースパイス。サワークリーム。生食パン。低層にまったりとした甘み、バナナやプルーンのイメージ。

味わい:未熟のフルーティ、林檎やバナナの雰囲気。クローブ、生姜、オークスパイスの刺激。木材香(ラワン合板のよう)。グラッシー、ニガヨモギ。フィニッシュにかけて洋梨や蜂蜜が微かに浮かぶ。ドライな口当たり。

全体的にはスパイシーなテクスチャーが印象的。

好み:♡7 70

 

 

【オフィシャルのテイスティングコメント】

熟したバナナ、アプリコット、バニラ キャラメル、べっこう飴

加水するとフルーツの甘味とピート由来の柔らかい苦味が調和して、長いフィニッシュに繋がる。

ハイボール、水割りにしても味の崩れがなく美味しく飲めます。

 

※通販サイトより

 

反芻:“熟したバナナ”! 自分の感想と真逆で苦笑してしまいました。バナナまでは同じなのに…。コメントはインポーターの資料ということですので、台湾のテイスターの方のコメントでしょうか? そこにバナナに対するイメージの違いがあるのかも? 林檎も日本人とそれ以外とで、イメージ全く違いますしね。

また、味わいの中にある苦みが “ピート由来” とは全く気付くことが出来ませんでした。難しい。。言われると、土っぽく感じてくるから単純です(笑)

 

 

雑感:人生3本目のスペイサイドモルト

そして、初めての短熟スペイサイドモルト

 

手元にあるのは、21年 1996の摩幌美 40th記念ボトル。

飲み比べてみると、当然ですが、口当たりが全く違います。厚みも。

 

ただこの場合、大切なのは共通項。

…なのですが、自分には難しいです。

 

フルーツの雰囲気が似ているとは感じるのです。

が、上手く言葉に出来ず、

そもそも同じ蒸留所だと分かっているからかとも考えてしまって…

 

それでも拙いながらに言葉を探ると、下のような感想になります。

 

・共通していると感じるのは、口に含んだファーストのファースト。そこに感じる未熟のフルーツ。ただしそれは、摩幌美ボトルでは熟したフルーティさにすぐに覆い被される。

・中間以降にある土っぽさも確かに共通している。バー・カスクのボトルでは自力で気付くことが出来なかったけれど

・フルーティさには皮や種の雰囲気がある。

 

如何でしょうか。

頑張ってはみたのですが

 

 

いえもちろん、テイストやバランス全てを把握できるような高みに辿り着けるとは考えていないです。(辿り着けたら楽しそうですが)

ですが、自分がこのボトルに、この蒸留所に、なにを感じているのかくらいは把握していたい、言葉にしたいという気持ちはあります。

簡単ではありませんが。

 

 

まずは、時間をおいて自分がまた同じ感想を持てるかからスタートですね。

はてさて

 

 

 

 

ちなみに。

 

今回のボトル、オフィシャルのコメントに “ハイボール、水割りにしても味の崩れがなく美味しく飲めます” とありましたが、なるほどその通り。

 

割るとフルーティに軽く明るくなって美味しいです。

自分はこちらの方が好きかも。

 

 

 

 

(よろしければ)

 

 

 

 

クライゲラヒ 13年 20年代前半流通

ラベル情報:

CRAIGELLACHIE

13 AGED YEARS

46%

 

香り:蜂蜜、赤い果実味。硫黄香。黒土。水飴。ハッカ。パン粉、大人しく穀物の香り。

味わい:ミネラリー、生姜やミントの辛味、オーキー。暖かい。赤い果実。ザラメ。蜂蜜。青っぽさ。モルトのクリーム。余韻はフラワリー、やはり硫黄のざらつきも残る。

甘やかなテイストとドライ口当たり。並列している。

好み:♡7 71

 

 

雑感:開けてしまいました(笑)

率直な感想、自分の記憶のそれほど硫黄香が感じられず、拍子抜けといった感じです。

おかしいなぁ もっと鼻の奥に残るようなものがあったハズなのに…

 

印象的な記憶は、プラスの方にもマイナスの方にも大きくなっていくものですね。。

 

記憶の維持力ってどうしたら鍛えることが出来るのでしょうか。

切実です。

 

 

 

まぁ考え方を変えてみると、

美味しいクライゲラヒを飲み重ねてきたことで、現在の自分はその良いところを拾いやすくなっているようにも思えます。

 

一時期は苦手だったフローラルなテクスチャーも、今は好ましく感じられるようになりましたし。

 

 

上等なもの、好ましいものを経験すると、そこを手掛かりに好みの範囲が拡がることはありますよね。(先日のラフロイグ 10年のように、反対の例もありますが)

 

良いことです。

 

 

 

 

 

クライゲラヒ 19年 1983 SMWS 44.24 “バンドエイドと清潔な犬”

ラベル情報:

SOCIETY CASK No.44.24

"Band aid and clean dog"

AGED IN OAK 18yrs

DATE DISTILLED Aug 83

DATE BOTTLED Aug 02

100.8° 57.6%

THE SCOTCH MALT WSHIKY SOCIETY

 

香り:青いフルーツの香りに心躍る。青パパイヤ、洋梨、パイナップル。レモンケーキ。ハッカ。クエン酸、蜜飴、三ツ矢サイダー麦芽の香りが明るく輝くように。

味わい:温かい口当たり、モルティな甘み。青パパイヤやグアバ、ファイバーパイナップル。生クリーム。生姜や白胡椒、カレースパイス、口の中が熱くなるオーキーなテクスチャー。ハッカ油、フラワリー。小さなミネラリー。それらが過ぎると静かな余韻、モルトらしいフルーティさ。

好み:♡8 87

 

 

雑感:オフィシャルの17年も飲んでみたくなりました。

今回のボトル、とても魅力的にフルーティです。

大好き。

 

私のウイスキー人生で苦手からスタートしたクライゲラヒですが、今はその個性を併せ持つフルーティさに魅了されています。

なかなか出逢えないのですが、、

 

 

オフィシャルの17年も、テイスティングコメントにはフルーティさが紹介されているのですよね。

まだ飲んだことはなくて。

まだ買えるようですし、買ってしまおうかな。

 

 

ああ考えていたら、13年のボトルも飲みたくなってきました。

ラス1ストック開けちゃおうかな…。

 

終売になってもう2年ですか。

普通に買えるうちにもう1本買っておけば良かったなぁ

 

あの硫黄香 苦手だったのにそう考えてしまいます(笑)

 

17年に対しても同じことを思わないようにしなくてはいけませんね。

 

 

先達の方々も、例えばソーピーなボウモアに対して同じことを考えたこともあったのでしょうか?

 

 

 

 

 

余市 NA 2023年流通

ラベル情報:

余市

45%

 

香り:甘くピーティなモルト香、香ばしく心地よい。オーキー、白木の印象。ソルティ、黒胡椒、メンソール。燻したオレンジ、薄く洋梨

味わい:ソルティ、温かいピート麦汁。ジンジャーや白胡椒といったオークスパイス。洋梨、オレンジ、シロップ。メンソール。フローラルなテクスチャーが上層に。やや若さを感じる。余韻は暖かく程よく長い。

塩味とコクのある麦芽の旨み、オレンジが印象的な味わい。

好み:♡7 71

 

 

【オフィシャルのテイスティングノート】

余市蒸留所でなければつくれないシングルモルトウイスキーを改めて探求し、新しく組み立てられたシングルモルト余市。核となったのは、スモークヘッド型ポットスチルと石炭直火蒸留ならではの重厚さと香ばしさです。ヘビーピートタイプの原酒が力強く主張し、新樽モルトシェリー樽モルトによってしっかりとしたボディ感とウッディな樽の風味が加えられています。ピートの香りとソルティさを感じる、個性的なシングルモルトです。

香り:やわらかな樽熟成香と麦芽の甘さ、豊かな果実の調和。穏やかで心地良いピート感。

味わい:オークの甘さとしっかりとしたピートの味わい、麦芽の香ばしさとオレンジのような果実の調和。

余韻:あたたかなオークの甘さとスモーキーさがゆっくりと持続する。

 

 

反芻:“オークの甘さ” という観点はなかったです。シェリー樽のそれを指しているのでしょうか?

また、ソルティな部分がテイスティングノートに載っていても良いように感じました。結構、潮気を感じます。

 

 

雑感:こんなにコクがあったか?! と驚かされました。

記憶にある、10年代に購入したボトルはもっと淡泊(良く言えば淡麗)だったと思うのです。

 

ハイレンジの余市を飲んで、余市ってこんなに美味しかったの?!の驚かされた衝撃を覚えていますから。

 

ある意味でこのボトルにも同じ驚きを覚えました。

うん。美味しいです。

 

 

 

2024年9月現在の標準価格は 7,000円。(市場価格は 9,000円程度でしょうか)

 

アリだと感じました。

高価ですけどね。

 

でも、いつまでも昔の価格を懐かしんでいてはなにも出来ません。

味覚も価格も更新こそ肝要です。

 

心当たりがあるので、明日あたり向かってみようと思います。

 

 

 

 

 

(よろしければ)

 

 

 

 

 

トーモア 19年 1994 マキロップチョイス

ラベル情報:

TORMORE

on 22 February 1994

in January 2014

bottled from cask number 1239

43%

Mackillop's Choice

 

香り:ケミカルなオレンジの香り、蜂蜜、若いパイナップルやライムの酸味。水飴。小麦粉の甘み。ユーカリ。柔らかく殻っぽさ、加水のニュアンスと共に香ばしく漂う。

味わい:優しいがコクのある大麦の味わい。その下からオレンジピール、ライム。パフューミー(フローラルとも)。蜂蜜。加水のニュアンス。ジンジャーや白胡椒といったオークスパイス。さくらんぼの種。余韻はモルティ、ゆっくりと白い甘みが伸びる

好み:♡7 70

 

 

雑感:カスクストレングスものが飲みたくなりました。

味わいの後半、加水のニュアンスとオークスパイスの刺激が混ざり合うタイミングが、自分には少々苦手と感じるものでした。

惜しい!と思ってしまったのが本音。他が好ましいだけに悪目立ちしてしまったのかも知れません。

 

 

なんだかマイナスなコメントからスタートしてしまいましたが、

全体的には柔らかくフルーティで美味しいモルトです。

 

オレンジのテクスチャーと蜂蜜。

大麦らしさ、その陰に見える蜜糖の雰囲気。

〆を整えるほんのりとした渋み。

 

好ましいです。

 

それこそ、先に苦手として挙げました加水とスパイスのテイストも、ひと昔前のボトルにはまま見られたものと思えますし。

 

先達の方々にこそ響く1本のようにも感じました。

その方々はもっと素晴らしいボトルを味わってきているとは思いますが(笑)

 

 

 

 

(以下補記)

ミニグラスで味わうと印象が変わりました。

味わいが丸まってストンと美味しくなったのです。

 

好いです。

 

 

自分は、RIEDEL ソムリエ コニャックXO で愉しんでいるのですが、

このボトルについてはミニグラスに軍配が上がります。

 

面白いですね。