ポートセルミの箱

ウイスキーのテイスティングをつらつらと。整理整頓中。

厚岸 立冬

ラベル情報:

厚岸

立冬 “RITTO” season “WIinter Begins”

19th. season in the 24 “Sekki” Japan's distinctive cycle of seasons. ※裏ラベルより

Bottled 2021

55%

 

香り:焦げ感、焼き林檎。海藻、潮気、煮出し汁。麦汁。煙が立ち込めて。葡萄の皮。重たい印象。

味わい:海藻、潮気、海辺で大鍋でワカメを茹でている。ヨード香。レモン、メンソール。ジンジャーシロップ。新しい樽香の香りとゆるいバニラ。

好み:★7 71

 

 

雑感:大鍋のイメージが浮かんで来ました。

ぐつぐつと茹でられているワカメ。

濛々と視界を覆う湯気と焚火の煙。

ニシン漁場の炊き出しのような…(ゴールデンカムイでしか知りませんが)

 

 

麦汁の甘みと濃ゆく煮出した出汁の旨み。

良いと思います。

 

ただ、ノンピートを味わってみたくなるのも本音。

 

 

これも長熟したらフルーティになるのかなぁ

遠い将来、見学したときに試飲出来たら良いですね(長生きせねば)

 

 

 

 

 

カリラ 7年 2012 ウィスク・イー デイドリーム

ラベル情報:

CAOL ILA

AGED 7 YEARS

SIDTILLED IN 2012

BOTTLED IN 2020

1ST FILL MADEIRA BARRIQUE

CASK NO.325957

57.6%

BOTTLED EXCLUSIVELY FOR WHISK-E LIMITED

 

香り:潮気、スモーキー。糊。まったりとしている。メンソール、枯草、ミーティ。奥の方に甘酸っぱいフルーツも。

味わい:暖かい印象。潮気、ミーティ、海辺のベーコン。枯草、オレンジの皮。粗挽きの黒胡椒。カツンとしたメンソール。ワインちっく。のど飴。植物性の苦みを伴う余韻。

好み:★7 71

 

 

【オフィシャルのテイスティングノート】

香り:潮、ヨード、ピートスモーク、キャラメル、白葡萄のレーズン、ブラックベリージャム

味:キャラルビスケット、ラズベリーキャンディ、バニラ、カカオ、ピートスモーク 

 

※通販サイトより

 

反芻:“キャラメルビスケット” に膝を打ちました。全体的には合っていると思います。味の方に 潮気 に属するものがあって良いとも思いますが。

 

 

雑感:ピンクレッド? ピンクブラウン??

液面を眺めていると、この不思議なピンク色に惹かれてしまいます。

深いピンクゴールドとも言えるような

 

ぜひ実物を見て頂きたいです。

 

 

 

中身はとにかくミーティ。

燻した肉感と潮気。(その陰にフルーツのテクスチャー)

 

自分のイメージでは、ミーティ = ラガヴーリン なのですが、それが覆されそう。

 

手元にある大全には、 カリラとラガヴーリンは同じ麦芽、同じイースト菌を使用している とあるので、短熟のこのボトルにラガヴーリン近いものを感じるのは当たりなのかな?

昔の本なのでこのボトルに該当するものか分かりませんが

 

 

 

 

 

マッカラン? シークレットスペイサイド 23年 1995 TWC

ラベル情報:

Secret Speyside Distillery No.1

Aged 23 Years

Distilled 1995

Bourbon Barrel

Cask No #1409068

49.1%

Bottled Exclusively for THE WHISKY CREW

 

香り:蜜蝋、洋梨。白木の香り。カレースパイス。炒った豆殻。ハッカ。

味わい:粘度を感じる、ドライオレンジの皮部分。生クリーム。樽由来のスパイス。モルティ、炒ったイメージ。ハーブと複数のフルーツ。ドライ。

好み:★7 76

 

 

【オフィシャルのテイスティングノート】

香りは非常にアロマティック。軽やかな蜂蜜の香りとレモンクリームをサンドしたクッキーのような甘く香ばしい香り。バニラ、黄桃のスライス、シナモンロール。とてもふくらみがあり心地良く広がります。

味わいはとてもしなやかで上品。温かみのあるネクターのような柔らかい甘さがじわりと広がり、砂糖をたっぷり入れた紅茶のような熟成感と微かなタンニンが舌の両脇を優しく刺激します。フィニッシュにかけてはフルーツドロップ(飴)のようなチャーミングな余韻を伴ってゆっくりと伸びます。

ほど良く落ちた度数が全体的に優しい印象を作り出し、ちょうど良い熟成感が親しみやすいフレーバーを演出している、完成度の高い1本です。ぜひこの優しい味わいの1本をお楽しみください。 

 

 

反芻:合ってないですね。香りの “シナモンロール” や味わいの “柔らかい甘さがじわりと広がり” や “フルーツドロップ” は納得できるところがあります。“砂糖をたっぷり” も。

逆に “チャーミングな余韻をともなってゆっくりと伸びる” とは感じませんでした。ドライじゃないかなぁ

 

 

雑感:大人向けのモルト

アピールの強いモルトではないです。

ですが、モルティな甘みに包まれる中に複雑味を感じるような…

 

もっと繊細に拾えたら愉しいのかな と想像します。

もっと大人になりたいですね。

 

 

 

記事を書きながら、ちびちび味わっていたのですが

飲み込んでから時間が経っても、キャンディちっくな余韻がまだ漂っていることに気が付きました。

 

“チャーミング” かは分かりませんが、“ゆっくりと伸びる” は確かにあるみたいです。

 

 

 

 

 

カリラ 30年 1983 マキロップチョイス

ラベル情報:

CAOL ILA

on 12 October 1983

in January 2014

bottled from cask number 4813

43.0%

Mackillop's Choice

 

香り:軽いピート香、潮気。時化の昼の煙草。加水のニュアンス。すりおろした洋梨。メンソール、冷たい印象。

味わい:優しい、淡いとも。消えかけの焚火、海風。加水らしさ、モルティな甘み。洋梨、燻した黒胡椒。焦げ草の苦み。蜜っぽさ、薄めたオレンジの皮、グレープフルーツの白皮。全てが通り過ぎるとメンソールのニュアンスが残る。

好み:★8 80

 

 

雑感:最初のひと口は弱く感じました。

加水の様子が大きく、腰がないように思えて。

 

ハズレのボトルかなぁ と渋った気持ちになったのですが、

気持ちを切り替えじっくりと向かい合うと、良いところが沢山見えてきました。

 

大きいのは、フルーティさ。

焦げた苦みの中にあるフルーツ香が優しく繊細に。

 

余韻にある苦みも次の1杯を誘うようです。

 

 

 

何気に贅沢な飲み比べ

 

オフィシャルの 25年 と比べてみました。

 

正直な感想では、自分の好みはオフィシャルに軍配が上がります。

厚みがあり、ピートの甘みや苦みの複雑味がある。

そして逆転したことを言うようですが、分かりやすい。

(というか、オフィシャルボトルこんなに旨かったかなぁ となりました)

 

マキロップチョイスは、フルーティ寄り。

優しくモルティ。

どこかエステリーにも。

ですがやはり加水のニュアンスが自分には気になってしまって…

 

 

ブレンダーの腕の差なのか と想像するのは失礼な話でしょうか

 

 

 

 

 

アラン スマグラーシリーズ vol3 エクサイズマン

ラベル情報:

ISLE OF ARRAN

THE EXCISEMAN

VOLUME THREE

SMUGGLERS' SERIES

09:13AM JUL 17

QUARTER CASK ... MATURED IN 125L EX-BOURBON BARRELS

MADEIRA CASK MATURATION ... MATURED IN 225L EUROPEAN OAK BARRELS

56.8%

 

香り:甘くモルティ、濾したオレンジ。蜜蝋。焼き砂。焦げ感。洋梨や葡萄。アルコール感。ニッキも。

味わい:モルティ、炒った麦芽香。燻したオレンジ、舞い上がる灰、苦み。ピート香。葡萄の皮、オレンジピール、硬めの蜂蜜。炊き立てのご飯。焦げた薬草、ふくよかな甘みが長く長く。

 

 

雑感:とてもモルティなモルトです。(変な日本語)

苦みもあり、ピーティな麦芽を噛み潰したような。

その後から短めのフルーティさ。

薬草のような苦みも。

そして余韻は長く、穀物の甘みが豊かに。

 

とても美味しいモルトです。

とても好き。

 

 

 

このボトルは、スマグラーシリーズ(密輸業者シリーズ)の第3弾 エクサイズマン(司税官)。

ロイヤルブルーが美しい装丁の本に収納されています。

中の文章はアラン蒸留所の概要が書かれているようでした。

 

 

転勤の際、引っ越し前夜にお世話になったバーで頂いたボトル。

丁度その日にフィニッシュを迎えて

 

自分にとってとても大切なボトルのひとつです。

 

 

 

 

 

グレンアラヒー 11年 2010 麻屋商店

ラベル情報:

GLENALLACHIE

AGE: 11 YEARS

DATE DISTIKKED: 14.04.10

DATE BOTTLED: SEPT 2021

CASK TYPE: PX PUNCHEON

CASK NO: 800484

56.0%

SPECIALLY SEKECTED FOR ASAYA

 

香り:こってりとした甘み、シェリー樽香。黒いフルーツ、ハッカ、オレンジピール。微かに薬草や芝生。白粉っぽさ。奥底にクレヨンも。

味わい:ドライ。シェリー樽熟成の香りとその苦み。芝生。ドライバナナ、オイリー。ハイカカオチョコレート、アメリカンチェリーの種。ひと摘みのスパイス。微かな甘みと強めの渋みが残る余韻。

好み:★6 65

 

 

【オフィシャルのテイスティングコメント】

香り:清涼感があり、甘く艶のあるシェリー樽熟成らしいリッチな香り立ち。レーズン、デーツ、黒糖、紅茶、焼きたての食パン、オランジェット、ビワ、アンティーク家具、メンソール。

味わい:軽めでコクのある口当たり。

黒蜜、ラムレーズン、デーツ、白胡椒、ピノー・デ・シャラント、えんぴつ、ビワ、紅茶、コーヒー、タバコ。

余韻:針葉樹林や古民家の香り、黒蜜、レーズン、白胡椒、オランジェット、紅茶の渋さとコーヒーのビターが続く。

コメント:開栓してから1週間程度でテイスティングを行いました。

ファーストフィルPXシェリー樽の影響をしっかりと受けながら、グレンアラヒーらしさもあり、多くの方にお楽しみ頂けるのでないかと思い、1樽で購入致しました。

熟成年数以上の複雑な香りや味わいがあり、どこか懐かしさも感じる1本でした。

時間をかけてゆっくりお楽しみ頂ければ幸いです。

 

【完売御礼】グレンアラヒー2010 11年 for ASAYA

 

反芻:おおよそ合っている気がします。(自分は開封直後のテイスティングです)

“針葉樹林や古民家の香り” には なるほど となりました。爽やかさとくすんだ感じが同居しているというのか。あと、“えんぴつ” も。子供の頃、えんぴつのお尻を齧った時のあの感じが思い出されます(笑)

 

 

雑感:麻屋商店 PB 第3弾。

第1弾のベンロマックと、第2弾のビッグピート。

それらに続くボトルが今回のグレンアラヒーです。

 

ちなみに、ビッグピートは店構えがデザインされたラベル。

実物と比べて写真が撮りたくなりますw

(参照:https://twitter.com/asaya_chichibu/status/1510099880672645121?s=20&t=NQxuJq2ADgfaiEk6ZTMAswhttps://twitter.com/asaya_chichibu/status/1510099880672645121?s=20&t=NQxuJq2ADgfaiEk6ZTMAswhttps://twitter.com/asaya_chichibu/status/1510099880672645121?s=20&t=NQxuJq2ADgfaiEk6ZTMAswhttps://twitter.com/asaya_chichibu/status/1510099880672645121?s=20&t=NQxuJq2ADgfaiEk6ZTMAsw

 

 

 

さて中身の話。

正直、まだ硬い印象です。

フルーツ感はそんなに拾えません。

それでも口に注ぎ込む瞬間に感じる、モルティな甘さは確かにあって。

 

スンとする爽やかさ、仄かな甘み、強い渋みと包み込むオイリーさ。

その三要素で構成されているモルトという感想を持ちました。

 

 

まずはオフィシャルのコメントの通り、1週間以上開けてからまた改めてと考えています。

 

 

 

 

単純に比べられるものでもないですが

 

同じ秩父にあります同じく人気店、令和商会のアラヒーと飲み比べを。

違いを探すより共通項を見付けられたらと

 

 

熟成年数の違いや樽の違いも大きく、比較はむずかしいのですが

共通しているのは、青臭い香り、ハッカのような爽やかさ。

 

香りに感じる白粉っぽさも共通していると思います。

また味わいの最後に感じるオイリーさ、油性絵具やクレヨンのイメージさせるそれも共通している印象。

 

 

ここら辺がグレンアラヒーの酒質と言えるのではないでしょうか。

オフィシャルスタンダードのボトルとも比べてみたいところです。

 

 

 

 

というか、令和商会のアラヒーがかなり旨くなっていました。

甘酸っぱいフルーツ感。

良いです。

 

開封から1年4か月。

いよいよ本領なのかと感じます。

 

 

 

 

(よろしければ)

 

 

 

 

追記(22/11/22):

肩あたりで半年開けて、再度のテイスティングです。

 

香り:硬い樽香。バターやコーヒー。プルーン、水飴。葡萄の香りが豊かに。爽やかなサイダー。

味わい:甘やかな樽香。ナッツオイル。プルーン。煮崩した林檎。オーキーなスパイスがピリリと。煙草。炒った豆殻、甘いシェリー樽にコーキングされたモルトの甘み。えんぴつを噛んだ苦み。

オイリーでドライ。コクのある甘み。

好み:★7 76

 

 

雑感:化けていました。

いや、驚きました。

美味しいです。

甘みと苦み。

とても好み。

 

 

テイスティングのコメントも、オフィシャルのものに近付けたのではないでしょうか。

爽やかなニュアンスと古びれたニュアンス。

甘みと苦み。

両立している良いモルトだと思います

 

えんぴつを噛んだ苦み の部分はは、正直前回の記憶があった面はありますが、

これ以上に相応しい表現はなく。

 

是非飲んでいただいて、同意が欲しい気持ちです(笑)

 

 

 

本体の記事を上げた際に、令和商会さんのボトルに対しても感じたことですが、

グレンアラヒーは開封直後と時間をかけてから、そのギャップが極めて大きい蒸留所なのかも知れません。

1本抱えないと体感できなかったですね。

 

他のボトルにも興味が湧いてきました。

 

 

 

 

 

グレンマレイ 13年 2007 リカーズハセガワ ブラックアダー

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ラベル情報:

GLEN MORY

AGED 13 YEARS

23rd November 2007

bottled Jounuary 2021

from single Hogshead Cask no. 5694

56.8%

SPECIAL EDITION FOR LIQUORS HASEGAWA

RAWCASK

BLACKADDER

 

香り:白粉、白桃の缶詰。オレンジソース。クリーミー。若い木の香り。麦芽香。

味わい:蜂蜜と白粉、粉っぽさを感じる。オレンジの皮、ハーブ香、土の印象。短めにバニラアイス、カレースパイス。

まだ硬い印象。

好み:★7 73

 

 

【オフィシャルのテイスティングコメント】

ピーチなどの甘い果実とさわやかな麦のニュアンスがソフトなボディーに心地よく広がる小粋なグレンマレイ。

 

 

反芻:“さわやかな麦のニュアンス” は上手い表現だと感じました。自分の挙げた 若い木の香り と 麦芽香 をひとつに纏めたイメージでしょうか。“ソフトなボディー” もそう。度数を感じさせません。

ただ、“心地よく広がる” とは感じられなかったかな。開封直後だからですね。きっと

 

 

雑感:開封直後から魅力的な香り

期待感を高めてくれました。

その期待のもとで口に含むと、そこは流石に開封直後…と感じる硬さがありましたが。

 

ただ、香りも味わいもこの先により期待したくなるものがあります。

 

フルーツ香が大きくなるのか、モルティなテクスチャーが膨らんでくるのか、

楽しみです。