ポートセルミの箱

ウイスキーのテイスティングをつらつらと。整理整頓中。

タムデュー 30年 1989 ハンターレイン オールド&レア・プラチナム

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ラベル情報:

TAMDHU

AGED 30 YEARS

1989

2019

54.4%

Old & Rare PLATINUM SELECTION

Hunter Laing

麻屋商店

 

香り:パイナップルの缶詰。パッションフルーツ。ビワ。煮詰めた砂糖。フルーツキャンディ。少しの溶剤っぽさも。

味わい:すっきりとした甘さ。シトラス系、杏子。微かに梅。ピリピリと溶剤のアクション。余韻には濡れた木、土っぽさも。

好み:★7 78

 

 

雑感:スムーズで飲みやすい1本。

表に出ている要素を拾うのが難しかったです。

甘い けど、どう表現して良いのか分からないと言いますか、具体的なニュアンスを浮かべるのに苦戦しました。

ですが特徴がないのではなく、上等な一品に纏まっているものと感じます。

 

 

 

ダムデューとはゲール語で 黒い小丘、黒い塚 という意味。

密造者の谷と呼ばれるほど良質な水に恵まれていたそうです。

 

 

 

 

 

アードモア 20年 1998 レトロカー ウィスキートレイル

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ラベル情報:

ARDMORE

20 YEARS OLD

DISTILLED 27.05.1998

BOTTLED 21.02.2019

CASK REF #750789

51.4%

Elixir Distillers

The Whisky Trail

麻屋商店

 

香り:土っぽいピート香。和梨、落ち葉。秋のイメージ。ビワのコンポート。枯れた木の香り。薬品香も少し。

味わい:柔らかくなった和梨、メロンや桃。潮気が走り、スパイシー、シロップのような甘さが残る。焦げた木香、燻製した肉、オイリー、生クリーム。

好み:★7 74

 

【オフィシャルのテイスティングコメント】

香りは塩キャラメル、バニラアイスクリーム、ミルクチョコレート。奥から現れる焚き火の煙がゆっくりと全体を覆い尽くします。

味わいは丸みのあるピートスモーク、りんご、洋梨、砂糖漬けのレモンピール。フィニッシュに浜辺のBBQを想わせる旨みがじんわりと広がります。

 

※通販サイトより

 

反芻:ズレてますね…。自分は香りのファーストアタックにピートを感じました。

オフィシャルでは “洋梨” としていて、自分は 和梨 としているのが興味深いです。コレ、全く別物ですよね。

“砂糖漬けのレモンピール” はなるほどと感じました。

 

 

雑感:アードモア、好きかもしれない。

内陸系のピートというのでしょうか。土を連想するピート香が気持ち良いです。

フルーツも主張し過ぎず、飲み疲れません。

度数も全く感じませんし。

美味しいです。

 

 

ただ。やっぱり 和梨 だと思うなぁ

 

 

 

 

 

プルトニー 27年 1977 スコッツセレクション

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ラベル情報:

PULTENEY

27yo

DISTILLED IN THE YEAR: 1977

BOTTLED IN THE YEAR: 2004

53.2%

SCOTT'S Selection

麻屋商店

 

香り:塩水につけた青林檎。風邪薬。濡れた牧草。硬めの木香。

味わい:瑞々しい林檎、生クリーム。塩麴。バニラ、白胡椒のアクセント。樽香と土の印象が顔を覗かせる。余韻にはミネラル分が強く残る。銀紙のような…。

好み:★7 73

 

 

雑感:不思議な後味。

テイスティングコメントにも書いたのですが、銀紙を嚙んだような。歯医者さんに行った後のような。

不思議な後味です。

 

なにが由来してこの様な味わいになるのでしょうか。

自分は個性と言える範囲と受け止めていますが、ネガティブな変化をしたのかも知れません。

勉強したいです。

 

 

 

スコッツセレクションとは、スペイサイドディスティラー社が主にアメリカに向けて発売するシリーズのこと。

 

 

 

 

 

グレントファース 10年 2009 ウサギの一生 2nd ウイスキーファインド

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ラベル情報:

GLENTAUCHERS

DISTILLED IN 2009

BOTTLED IN 2020

MATURED IN SHERRY BUT

CASK NO. 900329

65.7%

50CL

THE WHISKYFIND

 

香り:近年シャリー樽の硬い香り。ベリー系の果実、ファイバーパイナップル、木の枝。クリーミー。机の香り。

味わい:しっかりとしたシェリー樽香。プラム、ドライプルーン。上品な家具。ピリピリとしたアルコール感。レーズンクリーム。植物の苦み、生木のニュアンスが顔を覗かせる。終始濃厚なウッディさが存在している。

好み:★6 67

 

【オフィシャルのテイスティングコメント】

香り:ドライフルーツ、マーマレード、パイナップル、梨、ハチミツ、タンジェリンの皮、スモーキー、タバコ。

味わい:フルーティー、ウッディ、バニラ、ホワイトチョコレート、オイリー、非常に厚みのあるボディ。

フィニッシュ:グレープ、ドライフルーツ、スモーキー、ウッディ。

 

※通販サイトより

 

反芻:“スモーキー” を拾えませんでした。これは凹むなぁ

言われると香りの最後、余韻の最後 に紫煙の苦みを感じ取れるような。。

でも自分にはもっと生っぽくて感じられて、植物の苦み と挙げたそれが同じものを指していると思うのですが。。。

反省としては、樽香・ウッディさに感覚を支配されていたところがあったと思います。

所謂圧殺系シェリー樽熟成モルトです。

 

 

雑感:ラ・ヴィ・デュ・ラパン

ウサギの一生シリーズ 第二弾。

 

可哀そうなウサギは、一生懸命働いています。

ジムで体を鍛える時間はなく、毎日オフィスのデスクに座っています。

レストランで良い料理を楽しむ時間はなく、毎日ラーメンと揚げ物を食べています。

真夜中ウィスキーを飲んで少し酔っぱらった彼は鏡の前に立ちました。

どれだけ願っても、鏡の反射に期待をしても、事実、彼は太っているのです。

 

 

このウサギの人生描写が心に響きました。

これは自分だ!

これは手元に置かねば! と。

 

ラベルに惚れたというのでしょうか。

アクアヴィーテ 立夏 とは違う方向ですが汗

 

 

 

 

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エッグシェルに氷をひとかけら

 

 

予想に違わず、ロックや加水で滑らかに伸びます。

ケミカルに甘く、パイナップルや蜂蜜。機械油、樽の渋み。

おそらくこちらが本領。

 

…煙草のニュアンスも確かに感じました。

 

 

 

 

 

リンクウッド 33年? 1969 蒸留所ラベル GM

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(画像参照:Linkwood 1969 GM - Ratings and reviews - Whiskybase

ラベル情報:

Linkwood

DISTILLED 1969

BOTTLED 2003

40%

蒸留所ラベル

Gordon & MacPhail

京都洋酒研究所

 

香り:オールドモルトの芳香。バタークッキー、ナッツ。上品な樽香。レーズン、マスカット、ユーカリ

味わい:滑らかに伸びる。フルーツチョコレート、ベリー系の甘酸っぱさ。ハニーティー、バニラ。洋梨やマスカット。穀物の甘み、クリーム、粉っぽさも僅かに。余韻には仄かな渋みと乾いた樽香。

好み:★8 89

 

 

雑感:ハイランドモルト表記のリンクウッド。

現在のリンクウッドはスペイサイドと表記されています。

00年代のボトリングもハイランド表記だったんですね。もっと大昔に切り替わったのかと思っていました。

 

ちなみに、マッカランやファークラスは20年代となった現在でもハイランド表記です。

 

 

 

(ラベルの話は置いておいて中身の話を)

美味しいです。とても好き。

ですが、苦手なニュアンスを含んでいる気配のするボトルです。

 

上手く伝えられるか分からないのですが、

これと同じ構成が現行品にあったとしたら、自分は好みではないと判断していたと思います。

シェリー樽の苦手なニュアンスやケミカルにべたつくような甘みで硬く感じられる気がするのです。

 

 

ですが、これは美味しい。好き。

それら苦手なニュアンスの一歩手前で留まっているような、もしくはそこを通り過ぎた後のような。

材料の違いの必然なのか、瓶熟も含む熟成期間の長さの魔法なのか。

分からないのですが。。。

 

 

 

これまで苦手と感じていたニュアンスも、自分の好みと紙一重なのかもしれない。

好きになれるかも知れない。

 

改めてそこにも向き合ってみたい と感じさせてくれたボトルでした。

 

 

 

 

 

グレングラント 40年? 1969 蒸留所ラベル GM

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(画像参照:Glen Grant 1960 GM - Ratings and reviews - Whiskybase

ラベル情報:

GLEN GRANT

GLENLIVET. STRATHEPEY.

DISITILLED 1960

BOTTLED 2001

40%

蒸留所ラベル

Gordon & MacPhail

京都洋酒研究所

 

香り:腰のあるシェリー樽香、ラム酒の印象も。濃いカラメル、蜜たっぷりの林檎。もしくは蜂蜜漬け。枝付きレーズン、シロップ煮のオレンジ。ユーカリが影を見せる。

味わい:口に入れた一瞬、若い林檎が顔を覗かせる。その後、しっかりとしたシェリー樽香のアピール。カラメル、熟しきった林檎、遠くに溶剤。バルサミコ酢。濡れた木材の重い印象と若い木の爽やかさ。落ち着いた渋みが仄かに。麦芽の甘みが長く続く。

好み:★8 80

 

 

雑感:オールドなシェリー樽熟成の良いところ。

京都洋酒研究所 GM 蒸留所ラベル 3個セットの2個目になります。

 

香りも強く、しっかりとした味わい。

熟した林檎感がすごいです。

熟したというか、もうボケたに近いかもしれません。…褒めてない?

 

 

近年シェリー樽熟成に感じる苦手なニュアンスがなく。

“オールドのシェリー樽熟成” というジャンル分けが成されるのも分かる気がしました。

 

贅沢な一品でした。

 

 

 

 

 

ロングモーン 39年? 1963年 蒸留所ラベル GM

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(画像参照:Longmorn 1963 GM - Ratings and reviews - Whiskybase

ラベル情報:

LONGMORN-GLENLIVET

DISTILLED 1963

BOTTLED 2003

40%

蒸留所ラベル

Gordon & MacPhail

京都洋酒研究所

 

香り:フルーティなモルト香。瑞々しいオレンジ、枯草、炒った大麦。少しの若木の印象。底の方に苺が隠れてる。ひと摘みのスパイス。

唾が沸くように期待感を煽られる芳香。

味わい:最初の印象は優しい味わい。伸ばした苺ジャム、セミドライのオレンジ。乾いた牧草、煙草。ラムレーズン、バニラクリーム。フィニッシュに向けて樽香の渋みとスパイスが僅かに浮かび、優しい麦芽の甘みが膨らんでくる。

好み:★8 88

 

 

雑感:たまらなく良い香りのモルト

ロングモーンというと 1969 GM が浮かぶ自分ですが、負けず劣らずの芳香です。

60年代という背景がそうさせるのでしょうか。

 

 

味わいは優しくふわっとしたファーストアタック。一瞬もう弱っているのかと怯えてしまいました。

しかし、その後から来る複雑味は流石の一言。

飲み込んだ後も、咥内にモルトの甘みが長く残ります。

美味しいです。

そしてニュアンスを探すのが愉しい。

 

微加水するとフレッシュなオレンジの印象がより大きくなり、活き活きとしてくるようです。

 

 

 

(よろしければ)

 

先日、ロングモーンをいくつか飲む機会があったのですが、期待値が高過ぎるようで。

どれも美味しいのですけど、もうそれだけでは満足できない体になってしまっていました。