ポートセルミの箱

ウイスキーのテイスティングをつらつらと。整理整頓中。

ブナハーブン 31年 1987 ウイームス 栗と林檎のチャツネ

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ラベル情報:

Bunnahabhain

Chestnut and Apple Chutney

SINGLE MALT SCOTCH WHISKY

VINTAGE 1987 DISTILLATION

2018 BOTTLED

46%

WEMYSS MALTS

 

香り:ナッティかつクリーミー。ハッカ、湿布薬。林檎、落ち着いた樽香。炊き立ての白米。

味わい:とろりとしたオイリーな舌触り。落ち着いた甘さ。フレッシュなシェリー樽香、パイナップル、カスタードクリーム。メンソール、スパイシー、甘栗、濡れた木材、渋み、カカオ。

好み:★6 67

 

【オフィシャルのテイスティングコメント】

香りはリッチなウイスキー、海の辛さにシェリー、アイラ島バルサミコに栗とりんごの調味料、甘くて深みがあり心地良い。

味は重くて口を包むようにまとわりつき、深みのある甘さに心地良い辛さと酸味が海鮮ソースのよう。

フィニッシュは長く、土、木とスパイスが心地良い。 

 

※通販サイトより

 

反芻:言われた途端に拾える “海の辛さ” 。単純というかなんというか。反省です。

バルサミコ” も納得できそう。

ボトルにある通り、栗のイメージはよく浮かびます。林檎もあるのですが、割と落ち着いた方向、煮詰めたイメージでしょうか。あとはシェリー樽の印象が心地良いです。

 

 

雑感:ゆったり落ち着いたシェリー樽由来のモルト。冬に合いそう。

ロックにするとフレッシュな林檎、ビターチョコレートのイメージ。

美味しい。

 

季節に影響されずにテイスティングするのは難しいですね。

ピーティ系は夏だし、シェリー系は冬の方が合っていると感じます。

 

 

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ハニースモークと飲み比べ。

 

自分には共通項を見付けるのが難しい。。。

ハニースモークは蜂蜜と肉。今回のボトルはナッツとクリーム、シェリー樽。その印象が強く、共通するであろう酒質に当たる部分があやふやです。

あえて挙げるなら、奥の方にある丸っこいフルーツのイメージ…かな。

難しいです。

 

 

 

 

追記(23/06/25):

フィニッシュにかけて改めて

 

香り:赤ワイン樽熟成のようなクセ。ナッツの甘み。波飛沫。薬品香。シナモン、焼き林檎、暖かい酸味。メロンの皮。醤油もろみや干し椎茸。炊き立てのお米。

甘く落ち着いた香り。赤で始まり青で終わる。独特のクセもある、開き過ぎたのかも知れない。

味わい:オーキーな苦み、丸っこいベリー、ワイン樽を感じる。焼き林檎、ミックスナッツ。籾殻。海水。青い果実、メロンの皮。ピーティなモルトのクリームでフィニッシュ。

オイリーな酒質、甘い苦みが愉しめる。

好み:★7 74

 

反芻:かなりオフィシャルのコメントに近付けたのではないでしょうか。過去の自分のものと比べても、色々と拾えているところがあるようです。

3年経つと少しは成長するものですね。嬉しいです。

 

 

雑感:このボトルとも今生の別れ

もう手に入ることはないでしょう。

ボトルデザインも変わってしまいましたし。

 

どんなボトルもそうと言えばそうですが(笑)

 

 

暑くなる前に飲み切ってあげるべきだったかな。

やはり冬向けのモルトです。

 

 

 

ごちそうさまでした。

 

しかし改めてみると凄いスペックです。

アイラ系で、80年代蒸留で、熟成期間は30年オーバー。

 

良い経験をさせて頂きました。

 

 

 

 

 

ブナハーブン ハニースモーク クーパーズチョイス

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ラベル情報:

BUNNAHABHAIN

HONEYED SMOKE

SINGLE MALT SCOTCH WHISKY

BOTTLED 2019

“spent many years MATURING IN American Oak.”

“Additional Aging in a Cadillac Wine Cask”

CASK NO.24

56.5%

VINTAGE DISTILLATION

the COOPER'S CHOICE

 

香り:煙、焦がした蜂蜜、ミーティ。メンソール、煮詰めた林檎。皮製品、ココナッツ、クリーム。アルコールのアタック。

味わい:甘くスモーキー。蜂蜜。苺、林檎、パッションフルーツ。煙草、海辺の焚火、バーベキュー。メンソール、針葉樹林、赤ワイン。最後に焦がした蜂蜜と焼いた肉。

好み:★7 78

 

【オフィシャルのテイスティングコメント】

甘くジューシーなピートスモークと香り高い蜂蜜。トロピカルフルーツとスモーキーなスパイス、その奥に蜂蜜の甘さ。
長く続くスモークと心地よい甘さのフィニッシュ。

 

※通販サイトより

 

反芻:“ピートスモークと香り高い蜂蜜” はもちろん、“ジューシー” や “トラピカルフルーツ” も感じます。でも、ミーティなコメントがないのが驚き。

飲み込んだ後、舌の上にベーコンのような印象を覚えるのですが。。。(アピールにならないと判断されて、あえて外している…?)

 

 

雑感:ハニースモークの名前の通りのモルト

美味しいです。

 

ノンピートのイメージが強いブナハーブンですが、このボトルはとてもスモーキー。アードベッグ ブラックに近いです。

あのアードベッグは煙の中にハイトーンのフルーツ、このブナハーブンは煙と一緒に蜂蜜。

まさに名前の通りのモルトと感じました。

 

ワインカスクの要素もあって。上々のボトルではないでしょうか。

 

 

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スモーキー同士の比較。

 

同じ蒸留所の違うボトルで比較するのも楽しいですが、同じ傾向のボトルで比較するのも面白いですね。

 

 

 

追記(21/02/24):

香り:蜂蜜漬けのスモークベーコン。海藻、強めの潮気。パッションフルーツ、ライム、芝生。ブランデー香。煮詰めた麦茶。

味わい:とろりとした舌触り。蜂蜜、燻製肉、薬品の苦み、メンソール。甘い煙、グアバパッションフルーツ、グレープフルーツの白皮。余韻には潮気。しばらくすると赤ワインの甘みが浮かんでくる。

好み:★7 78

 

 

雑感:改めて買って良かったボトルと感じました。

以前の自分のコメントと比べてみると、“ココナッツ” や “針葉樹林” になるほど分かると感じました。(自分のコメントに言ってたら世話ないですね汗)

肉のニュアンスは、今回はファーストアタックに感じました。開封後に変化したひとつだと思います。

鼻に抜ける息がスモーキーで心地良いです。

 

名前の通り、ハニーでスモークな1本。

特徴的で美味しく、買って良かったと改めて感じました。

 

 

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これにてフィニッシュ。ごちそうさまでした。

 

 

 

 

 

アラン マスターオブモルト バッチ4 ブティックウイスキー

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ラベル情報:

ARRAN

BATCH 4

52%

THAT BOUTIQUE-Y WHISKY COMPANY

 

香り:明るいフルーツ感。パッションフルーツ、ライチ、パパイヤ。砂糖。高い位置に枯草。仄かにバナナやバニラの余韻、短くドライ。

味わい:低い音のフルーティさと高いアルコール感。ライチ、ドライバナナ。じっくりしたモルトの甘み、カステラ。青魚、金属感。潮気、シナモン。ハイプール由来の甘さと刺激が最後に。

好み:★7 75

 

【オフィシャルのテイスティングコメント】

香り:バターとサルタナレーズン、スパイシーなライ麦と僅かな海岸線潮風。僅かに加水すると、向こう側にクリーミーなバニラが現れます。 

味わい:白ブドウ、シトラス、パイナップルから始まり、モルトとシナモンの力強さと見事に調和します。 

フィニッシュ:刈りたての芝生とハーブが強く現れ、最後にオレンジの花が現れます。

 

※通販サイトより

 

反芻:合っていないかな…? 香りのファーストインプレッションがトロピカルだったので、そこに引っ張られすぎたのかもしれません。(いやでも改めて嗅いでもトロピカルと感じるので、自分はこう感じた!でも良いのかも…)

“白ブドウ” や “刈りたての芝生” は連想しやすかったです。青い・若いイメージというのかな。かといって、全体的に若いわけではないです。NAなのが信じられないくらい。

 

そんな中で全く載っていないもの、青魚や金属を感じたのも本音です。

表に出てくるのではなく、味を探しているうちにそこにいたイメージ。尾を引くものではなく、感じたのは一瞬。ただ、確実に感じました。

それを含めても美味しいボトルです。

 

 

雑感:時間が経って南国が開いた1本。

開けたての直後は、正直ハズレだと感じた記憶があります。アルコールが立っていて、苦味が前に出ていたような。

時間が経つと変わるものですね。トラピカルフルーツとこんなにトロピカルに感じるのは、開いてきたからでしょうか。

 

前回の旧10年と飲み比べてみると、やはり向こうはクリームの印象が強いです。

が、前回拾えなかったフルーツのニュアンスを奥に感じられました。

このフルーツ感がアランモルトの酒質で可能性なのでしょうか。

 

そこを突き詰めた、そんな1本にいつか出逢いたいです。

 

 

 

アラン 10年 10年代流通

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ラベル情報:

The Arran Malt

SINGLE MALT SCOTCH WHISKY

AGED 10 YEARS

46%

 

香り:生クリーム。ピーティ、乾燥させた麦芽。バニラとマスカット、白い花。

味わい:甘いピート。オイリー。渋み、バニラ、トースト、炒った豆。乾燥した牧草。マスカットと微かにハッカ。ホイップクリームの余韻。ややアンバランスに感じる。

好み:★6 62

 

【オフィシャルのテイスティングコメント】

VANILLA AND CITRUS NOTES DOMINATE TO CREATE A SMOOTH AND MELLOW DRAM.

(バニラとシトラスが滑らかでメロウな一杯をつくる)

 

※裏ラベルより

 

反芻:滑らかでメロウ、その通り。

でも自分に一番印象に残ったのは、クリームのそれでした。滑らかです。そして甘さと乾燥した草。

そんな中にアンバランスさを感じたのも確かで。繰り返し飲んでいると、機械油のニュアンスを感じるような。。。

 

 

雑感:現行品もいつかはオールドになる。

2019年にリニューアルが発表される以前のボトルになります。

 

ちなみに新ラベルの味わいの評価は上々な模様です。ラベルが変わると警戒心から評価がマイナススタートになりがちですから、本当に美味しいのと思います。

 

ラベルに記載される情報も “Arran single malt” となり、蒸留所の名前も “Lochranza, Isle of Arran” ロックランザ蒸留所と変更。

アラン島に建設された第2の蒸留所(ラッグ蒸留所、ピーテッドモルトがメイン)と区別するためなのでしょう。

将来、“アランモルト標記”・“アイル・オブ・アラン標記” 等と呼ばれる時代が来るかもしれません。

 

当たり前のことですが、現行のオフィシャルスタンダードもいつかはオールドボトルになるんですよね。

しっかり記憶していきたいと心しました。(同時にオールドボトルを妄信しないように、とも)

 

 

そう言えば、以前タリスカーのイベントに参加した際にMHD社のボブさんが、ラベルの “THE ONLY DISTILLERY ON THE Isle Of Skye” もトラベイグ蒸留所ができたことで変わるかもと冗談めかしていました。

その時が来たら味わいも変化するのか、そちらも楽しみです。

 

 

 

グレンギリー 25年 1991 風神 ラダー

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ラベル情報:

GLEN GARIOCH

SINGLE MALT SCOTCH WHISKY

AGED 25 YEARS

DISTILLED 1991

BOTTELED 2016

CASK TYPE : HOGSHEAD

CASK : #2927

55.1%

ART SESSION

 

香り:低音と高音のフルーツ感が同時に。杏とドライオレンジ、ファイバーパイナップル。苺、紅茶。仄かに枯草、白胡椒と土の香り。

味わい:アプリコット、苺ジャム、紅茶。ビスケット。ピートとタンニン、スパイシー。大葉。刺激的とは違うアルコール感が咥内をなぞると樽香が浮かんでくる。

好み:★7 78

 

【オフィシャルのテイスティングコメント】

香り:ハチミツ、蜜蝋、イースト、大麦糖、茹でトウモロコシ、ゼラニウム、葉っぱ、セージ、甘いお香。

味わい:煮リンゴ、砂糖漬けの果物、アプリコット、フルーツトマト、貝の干物、甘さ控えめのオレンジリキュール。

フィニッシュ:熟したパイナップルとミルクティーホワイトチョコレート山わさび、優しい泥炭の煙が心地良い。

コメント:フルーティーでフローラル、程よいピートや麦芽感、節目の25年熟成を迎え高次元でバランスの整ったハイランダー

 

ultimatespirits.jp

 

反芻:自分には浮かんでこないけど納得できるコメント。勉強になります。特に得心したのは “イースト” “甘いお香” “フルーツトマト” “山わさび” のあたり。

自分のノートとは香りはあまり合致せず、味わいはほどほどでしょうか。自分が スパイシー と 大葉 と受け取った爽やかな刺激が “山わさび” と同じものなのではと思います。

公式なり著名な方のテイスティングコメントを読むと、途端にそれが感じられるから単純です。いや、それだけコメントが素晴らしいと受け取るべきですね。

よちよち歩きで進んでいきます。

 

 

雑感:パワーはあるのに飲みやすい1本。

開けたて故かまだ固さを覚えますが、フルーツメインにピートやスパイスがアクセントになって美味しいです。

この先変化していくとどうなるのかな。

 

 

こちら、RUDDERの ART SESSION CLASSIC の1本になります。

同時発売であった雷神(ボウモア)はゲットできず。流石のブランド力ですね。

 

バーで飲み比べる機会に恵まれたことはありますが、その時(おそらく開けたて)はギリーの方が美味しく感じました。ギリーのフルーツ感はわかりやすいですしね。

ただ、ボウモアは奥行きを感じて将来が楽しみになる印象。バーの場合、そこまで残っているのかという問題があるのですが。。。

 

 

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雷神と風神 いつかまた出逢いたい

 

 

 

 

ダルウィニー 15年 2018年流通

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ラベル情報:

Dalwhinnie

HIGHLAND SINGLE MALT SCOTCH WHISKY

FIFTEEN 15 YEARS OLD

43%

 

香り:甘酸っぱい。青林檎、グレープフルーツ、ドライオレンジ。砂糖、パイナップルケーキ。枯草が余韻に。

味わい:ソフトな印象。蜂蜜。溶剤。穀物ホットケーキミックス。スパイシー。余韻にはレアチーズケーキも。最後の最後に潮気と枯草。

全体的に奥ゆかしいモルト

好み:★6 62

 

 

【オフィシャルのテイスティングコメント】

へザー(ヒースの花)、ハチミツそしてデリケートなスパイスといったスムーズかつソフト、クリーミーな味わいです。

 

 

反芻:漠然としているけど、その通りと感じます。ハチミツもスパイスもあり、ソフトでクリーミーです。

自分はフルーツも感じました。特に香りに。逆に味わいにはそこまででない印象。

正直に言うと物足りなさを感じますが、それがこのモルトの方向性なのだろうなと。

 

 

雑感:ふわりと軽い雪解け水由来のモルト

ダルウィニー蒸留所は、スコットランドで最も標高が高く人が居住する中で最も寒い場所にあります。その奇特な場所故、毎朝9時に気象観測をするのもマネージャーの仕事のひとつとか。

 

仕込み水も雪解け水が湧き出た湖から使用しているそうで、味わいの柔らかさに納得するものがあります。

 

ふわりと軽く柔らかいモルトです。

それだけに、油断しておかわりを重ねていると、ぐらりと来ます。(来ました)

 

 

これを飲んでいてイメージしたのは、グレンキンチーでした。『柔らかく大人しい』という脳内インデックスから浮かんできたのと思います。

 

ですが、実際飲み比べるとキンチーの方がハッキリとしていました。

ダルウィニーが儚げに想えるようです。

 

 

奇しくも自分の中の整理整頓の未熟さを実感。

良い経験になりました。

今後も色々なボトルを繰り返し飲んでいきたいです。

 

 

 

 

 

駒ヶ岳 ネイチャーオブ信州 信濃蒲公英

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ラベル情報:

駒ヶ岳

Nature of Shinshu - Shinanotanpopo -

Single Malt Japanese Whisky

MARS SHINSHU DISTILLERY

52%

 

香り:シェリー樽香、チョコレート、枝付きレーズン。チョーク、濡れた草。和梨、ナッツ、麦芽感。仄かにピート。アルコールが鼻腔をくすぐる。

味わい:ナッティかつフルーティ。胡桃。枝付きレーズン、薄くビターチョコレート、杏、熟した林檎。渋みと酸味、タンニン、微かに灰っぽさ。シェリー樽香とやや荒い後味。

好み:★6 68

 

 

雑感:荒さと複雑さが同居したボトル。

マルス信州蒸留所のネイチャーオブ信州シリーズ第三弾になります。ラベルの絵は植物精密画家・野村陽子さんの信濃蒲公英。(以前のものは竜胆と小彼岸桜になります)

 

中身は、バーボンバレルとアメリカンホワイトオークの新樽で熟成された若いモルト原酒を主体に、シェリカスクで20年以上熟成されたモルト原酒がヴァッティングされたモルトとのこと。

 

実際その通り、優しいシェリー樽由来の良いところとナッティさ、荒さとも受け取れるフレッシュ感が面白いです。

 

 

ロックにすると古びた家具、ビターチョコレートが出てきます。ストレートよりも良いかも。

それこそ長野の家庭で、ウイスキー好きな人がロックでゆっくり飲まれることをイメージされたブランドなのかなと推察しました。

 

ちなみに購入当時は長野県内のイオンのリカーコーナーで普通に売っていました。

地元で買えるように購買路を確保される企業姿勢はとても好みです。