ポートセルミの箱

ウイスキーのテイスティングをつらつらと。整理整頓中。

スプリングバンク 10年

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ラベル情報:

SPRINGBANK

CAMPBELTWON SIGLE MALT SCOTCH WHISKY

AGED 10 YEARS

46%

 

香り:葡萄、枝付きレーズン、枯草。上品な甘さ、薬品香。微かに土っぽさ

味わい:塩っ辛さ、土の香り。枯草、ピーティ。バニラ、赤い実、樽香。消毒液。薄くチョコレート。スパイシーな余韻。時間を置くと、シェリー樽のニュアンスとじっくりとした麦芽の甘みが前に出てくる。

好み:★7 73

 

 

雑感:現行品の10年ボトル。

前回の旧ラベルと比べると、現行の方がハッキリと自分の好みです。

旧はシェリー樽、現行はバーボン樽がメインなのかな? ここらへんは個々の好みもあると思いますが、全体のバランスも現行の方が整っていると感じます。

 

どうしても終売品や何世代も前のボトルに目が行ってしまいますが、現行品が良い変化をしてくれているのは嬉しいですね。

人気がありすぎてなかなか目にする機会がないのは難点ですがw

 

ラベルデザインも現行の方が好きかな。

 

 

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グラス飲み比べ

 

丸グラスは香りのレーズンと甘味が強調されますね。味わいは表にいた塩っぽさが余韻に移ります。

口当たりは良くなるけど余韻がしつこくなる、そんな印象の違いを感じました。

 

 

グラスによる変化は面白いですが、テイスティングコメントも変化し得るということですよね。(もちろんプロの方々はそこまで考慮されていると思うのですが)

興味深いな。

 

 

 

スプリングバンク 10年 旧ラベル

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ラベル情報:

SPRINGBANK

CAMPBELTOWN SINGLE MALT

AGED 10 YEARS

46%

 

香り:甘くモルティ。塩っぽさ、生食パン。レーズン、茹で小豆。余韻に洋梨、ヨードとスパイス。

味わい:塩っぱい、モルトの甘み、ヨード、スパイス。それらをシェリー樽由来の香りが包み込む。レーズン、餡子、トースト。バニラ。乳酸菌の印象も少し。

好み:★6 61

 

 

雑感:塩とモルトシェリー樽香が印象的なモルト

2017年にリニューアルする前のボトルになります。

久しぶりに飲みましたが、こんなに樽香が主張していたかなという感想。

 

塩とモルト感はイメージ通りでした。

潮というより塩。

サルファリーでもあるような。

 

全体的に纏まりがない印象。

 

 

 

グレンキンチー 12年 2018年流通

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ラベル情報:

GLENKINCHIE

THE EDINBURGH MALT

SINGLE MALT SCOTCH WHISKY

12 YEARS OLD

43%

 

香り:モルティ、乾燥した牧草。直後に青りんご、洋梨のフレッシュなフルーツがふわりと。メンソールのイメージも少し。

味わい:落ち着いた麦の甘さ。暖かい。レモンケーキ、バニラ、ナッツ、メレンゲクッキー、蜂蜜。硬いメロン、キウイ。スパイスと仄かな煙をアクセントに短めの余韻。軽く丸く滑らかで優しい味わい。時間を置くと余韻に胡桃のような印象が加わる。

微加水すると、水飴と乳酸菌が前に出てきて印象が変わる。個人的にはストレートで。

好み:★7 72

 

【オフィシャルのテイスティングコメント】

グレンキンチーはライトかつデリケートなシングルモルトで、
かすかなフローラルな芳香を伴うスイートかつクリーミーな飲み口です。
 

 

雑感:ちょっと漠然としていてイメージと合わない印象。

オフィシャルのコメントに対して、もっと美味しいのに!と感じてしまいました汗。

 

 

雑感:エレガントな佇まいのローランドモルト

ボトルデザインがとても好みです。上品な淑女のよう。

中身も、ピートのインパクトも重厚なフルーツ感もない素朴な味わいです。ただ決して個性に乏しいのではなく、上品に感じるバランスの良さがそこにあります。

 

おそらく好きなモルトの1番手に挙げる人は少ないブランドだと思います。自分も好みの傾向とは全く離れていますし。

ですが、好みの傾向と全く別のタイプのモルトとして美味しいと感じました。

 

出逢えて良かった1本です。

 

  

これを充分に愉しめるのは経験豊かな舌を持った人ではないかと思います。

飲んだ後、自分はボディの強いモルトが欲しくなりました。(台無し)

 

 

 

 

追記(21/11/21):

※ブラインドテイスティングにて

香り:焦げた木の香り。林檎、芝生。ケミカルな甘さ。酸味。

味わい:枯葉のような甘み。乳酸菌。クリーミー。微かな焦げ感。

予想:クライヌリッシュ

 

雑感:消去法でハイランドかなと。

ピートもない、フローラルな華やかさもない、と来たのでハイランドの何処か?と決めつけてしまいました。

そこで浮かんできたのがクライヌリッシュ。

 

そう思うと途端に、焦げ感が内陸系のピートに、クリーミーさがワクシーに思えてきてしまって。。

 

情報に左右される感覚を体感しました。

 

 

 

過去の自分のコメントを読むと、レモンやメレンゲクッキーはなるほどなぁと感じました。

これがブラインドで浮かんで来なくちゃダメですね。

 

 

 

 

 

ハイランドパーク? オークニー 1998 20年 トンプソンブラザーズ

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ラベル情報:

ORKNEY SINGLE MALT SCOTCH WHISKY

1998 VINTAGE AGED 20 YEARS

49.5%

THOMPSON BROs

 

香り:洋梨、マスカット。フローラル。蜜っぽさ。薬品香。仄かにピーティ。

味わい:暖かい果肉感。メロン、レモン、蜂蜜。すぐにハイトーンのピートとスパイスが覆いかぶさり余韻は短め。麦芽の甘さが最後に少し。

好み:★6 66

 

【輸入元のテイスティングコメント】

香り:蜜、カンタループメロン、ハチミツ、ユリ、大麦、砂糖、ほのかなスモーキーさ

味わい:メロン、柔らかい核果、ほのかなピートと塩気、ホワイトペッパー、桃、バニラ

フィニッシュ:塩気、微かにホワイトペッパー、甘い樽感

 

※通販サイトより

 

反芻:香りのユリには納得です。砂糖も分かる気がします。シュガーポットを開けた瞬間のあの感じです。言われるとストンと来ますね。面白い。

逆に “柔らかい核果” ってなんだろう。桃? 桃は後から表記されてますしね。。。

時々感じることですが、自分にとってスパイスと塩気は紙一重だなと。片方に気を取られると片方を見失いがち。

 

 

雑感:フローラルな香りとフルーティな味わいのモルト

クラウドファンディングを募り自宅を売却してドーノック蒸留所を立ち上げたトンプソン兄弟。彼らがセレクトしたボトラーズの1本になります。

リフィルアメリカンオークホグスヘッド。

オークニー島のモルトでバイキングのラベル。おそらくハイランドパークかと。

 

 

先のバイキング・オナーと比べると、フルーツ感に共通項も見付けられます。それがハイランドパークの酒質なのかな。

勉強になります。

 

ただ、違いも大きく。

今回のオークニーは、香りはフローラル寄り。味わいもフルーツ感がありながらスパイスとピートのインパクトが強く。

バイキング・オナーは香りにも味わいにもシェリー樽由来のそれ。そしてフルーティ。比べるとピート感は見失ってしまう。

 

カスクストレングスとの情報はありませんが1個の樽からの個性を出すボトラーズとバランスとイメージを重視するオフィシャルの違いがよく出ていると感じました。

みんな違ってみんな良い。

 

ラベルに惹かれての購入でしたが当たりでした。

 

 

 

アードベッグ ブラック

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ラベル情報:

ARdbeG Blaack

The Ultimate ISLAY SINGLE MALT SCOTCH WHISKY

COMMITTEE 20th ANNIVERSARY

2020 LIMITED EDITION

46%

 

香り:薬品香、海藻、海辺の焚火、ヨード。濡れた木、苺、洋梨。ハッカ。

味わい:暖かく濃い煙、焦げた木材と古びた家具。熟したフルーツ、苺、葡萄、濃い蜂蜜。煙草。炒ったアーモンド。潮風が通り抜け、薬品香と苦味が残る。

好み:★7 74

 

【オフィシャルのテイスティングノート】

香り:ベリー系のフルーツを使ったイギリスの伝統的なサマープディング、杉の木、シガーの箱、スモーキーなジャムのタルト、オーク樽のタンニン、トリュフのアロマ。加水すると、ビターチェリーの濃厚な果実香や塩の香りが開き、芳しいスミレの香りへと変化する。

味わい:ベルベットのようになめらかな口当たり。塩味と甘味、アニスと煤、 といった対照的なフレーバー、そして夏の果実(チェリー、イチゴ、 アプリコット洋梨)、ペイストリー、ケーキミックス、ダークチョコレート、ビターチェリー、アーモンドの豊かな風味が複雑に調和する。

余韻:煤っぽいスモーキーな余韻が長く続く。

 

prtimes.jp

 

反芻:最初の “杉の木” やラストの “スミレ” はなるほどという印象。杉の木の爽やかさをハッカと捉えたのかな?(ただ、自分は最後に感じ取れました)

“塩味と甘味”もシンプルな表現ながら納得するもの。“ケーキミックス” は自力で気付きたかった。言われてとると、確かにあります。

余韻は赤ワインのよう。

 

 

雑感:コミッティー20周年を記念する、新たなチャレンジの黒いボトル。

アードベッグ コミッティーが20周年を迎える2020年、アードベッグ・デーに発売されました。

アードベッグでは初めてニュージーランドピノ ノワールの赤ワインの樽を使用、周年記念のボトルながら新たなチャレンジをした1本です。

 

ボトルや箱のデザインにもメッセージが含まれていて、白い羊の群れの中の黒い羊のように型にはまらない、個性を持ち続けるアードベッグファンを讃えています。

 

味わいも、らしさが溢れていて。

煙が心地良い、塩味と甘味が絡み合い旨いです。また、落ち着いた味わいから将来が楽しみにもなります。

 

 アードベッグファンにとっては心くすぐられるボトルですね。

  

 

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黒い羊と犬。

アードベッグファンとマスコット犬ショーティー

群衆の中の個性。

 

 

 

 

ザ・ニッカ 12年

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ラベル情報:

THE NIKKA

PREMIUM BLENDED WHISKY

12 YEARS OLD

43%

原材料 モルト、グレーン

 

香り:スパイシー、樽香。バニラ、ベリー、グレーンの甘み。マスカット。

味わい:フルーティ。フレッシュな林檎、マスカット、薬品香、スパイシー。洋梨。まろやかなグレーンの甘さ。優しいピート、やや硫黄や松脂のニュアンスもあり、最後にバニラやチョコレートが顔を見せる。

好み:★7 70

 

 

雑感:こんなに美味しかったかという1本。

記憶のそれより美味しく感じました。

ボトルの意匠も凝っていておしゃれですよね。化粧箱も上品な青。それでも値段は4,000円代。

手の届く高級感。学生からの父の日のプレゼントに相応しい。がコンセプトのように感じ取れます。

 

 

残念ながら2019年3月末に終売。

逆に言うと、2019年3月までスーパーにすら並んでいたボトルです。

企業努力に感謝。

 

このボトルをゆっくり味わっていると、近年ブラックニッカの特別verばかり乱発しているニッカの方向性も、ウイスキービギナーやビギナーですらない人を特別感をもってウイスキー好きへ招待していく戦略ような気さえしてきます。

勝手な想像ですが。。。

 

 

それでもまた腰を据えた1本を一般市場に出してくれると期待しています。

ニッカは蒸留所限定ボトルやウイスキー塾等、ウイスキー好きの心に寄り添ってより深みに誘ってくれるメーカーですから。

 

 

 

 

横浜倶楽部 クルージング

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ラベル情報:

横浜倶楽部 CRUISING

using only mature whiskeys from Japanese, Scotish, and U.S. distilleries.

43%

原材料:モルト・グレーン

 

香り:おしろい、蜜蝋、バニラ。埃っぽさ。オレンジ、セメダイン。アルコールの刺激が鼻腔をくすぐる。

味わい:なめらかでメロー。飴、メロン、バニラ、薄めた蜂蜜。チャーされた樽香。化粧品っぽさ。全体的に弱くやや水っぽい。おそらく抜けてる。

好み:★5 50

 

 

雑感:横浜高島屋ディレクションウイスキー

キリン・シーグラムブレンドしたボトルになります。ですので、発売は2000年以前。

ネット上には情報が少ないブランドです。

 

ちなみに同じ銘柄の横浜倶楽部 17年はサントリーだったそうです。

(参考:サントリーウイスキー 横浜倶楽部 17年 高島屋 43% : くりりんのウイスキー置場

時系列すら分からないのですが、どのタイミングで切り替わったのか? どちらから終了を申し出たのか? その当時の各社の状況は? 等々、野次馬根性が刺激されます。

 

自分が購入した理由も野次馬根性みたいなものでした。

デパートには今もジャパニーズウイスキーが入荷している ≒ 百貨店のパワーは凄い

 ≒ 百貨店の名前が謳われているウイスキーなら間違いないのでは

という発想だったことを覚えています。

 

事実、開栓直後はもっとパワーがあったような。。。

パラフィルムは巻いておいたのですが。勿体ないことをしてしまいました。