ポートセルミの箱

ウイスキーのテイスティングをつらつらと。整理整頓中。

宮城峡 10年 2009 マイウイスキー塾

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(画像引用:ベンダー :: THE SHARE BAR :: BAR fishborn :: 宮城峡10年 マイウイスキー塾 19ml - SAKETRY - サケトライ -

ボトル情報(THE SHARE BAR テイスティングボトル):

宮城峡

10年

樽詰年月日・2009年10月10日

壜詰年月日・2019年10月29日

樽種・ホワイトオーク リメード樽(樽の鏡板のみ新樽)

58%

BAR fishborn

THE SHARE BAR

 

香り:若い木材、濡れた樽香。甘いメンソール。メロン、瓜系の甘み。青林檎。豆殻。

味わい:生木を折った香り、グラッシー。樽由来の甘い渋み、シロップ、硬いメロン、ベリー系のフルーツ。枯草。メンソール。様々な表情を見せる味わいが愉しい。

好み:★8 81

 

 

【オフィシャルのテイスティングコメント】

香り・穏やかでウッディな樽香の奥に、ココアやバニラの甘い香りと麦の香ばしさ、ボディ感と繊細なエステル香の調和。

味わい・麦芽の芳ばしさと甘さがビターチョコのようなコクと調和。爽やかなオレンジやウッディさ、微かなスパイスを伴う淡麗な後口。

 

※資料より

 

反芻:“淡麗な後口” かぁ となりました。たしかに、スッと引く感じはあります。物足りなさはないのですけど。これを 淡麗 というのでしょうか。

 

 

雑感:空けたグラスまで甘く美味しい。

このグラスから感じるニュアンスが宮城峡の特徴なのかな と感じました。

 

シロップや瓜系の甘み。もしくは薄い餡子のような、豆っぽいような。。

う~ん。もっと繊細に捉えられるようになりたいです。

 

 

どことなく感じたのは、若い樽の爽やかさ。

資料によると鏡板のみ新樽ということですから、その影響力が想像できます。

若さはパワーですね。

 

 

 

 

 

余市 10年 2009 マイウイスキーづくり

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(画像引用:ベンダー :: THE SHARE BAR :: 余市10年 マイウイスキーづくり 19ml - SAKETRY - サケトライ -

ラベル情報(THE SHARE BAR テイスティングボトル):

余市

マイウイスキーづくり

10年

59%

樽詰年月日・2009年9月19日

壜詰年月日・2019年10月25日

樽種・ホワイトオーク 新樽

CASK NO. 411137

58.0%

BAR fishborn

THE SHARE BAR

※小分けのラベルは表記が間違えてるようです。同封されていた資料のデータを優先しました。

 

香り:滑らかな甘み、上品で強い樽の香り。デーツ、アーモンド。マーマレード。シナモン。ハッカ。乾いた煙が微かに。最後に苺ジャムも。

味わい:落ち着いた味わい。甘く、ウッディ。濡れた樽の香り、香ばしさ。オレンジの皮、デーツ。シナモン等のスパイス。ハーブよう。マッチも微かに。

好み:★8 83

 

 

【オフィシャルのテイスティングコメント】

香り・木苺やオレンジがのったチョコレートケーキのスイートさを、ペッパーをアクセントに麦の甘さとウッディな樽香が引き立てる。

味わい・オレンジやリンゴ、ハーブの爽やかさ。香ばしいクロワッサンとカフェオレ、チョコレートの甘くほろ苦い余韻が心地よい。

 

※資料より

 

反芻:“チョコレート” が拾えてない…。ハイカカオ系かなぁ。甘くウッディとあげたものがそうなのかもしれません。ウッディさが印象的で、自分にはチョコレートと感じられなかったような気もします。

熟成10年でアルコール度数も高いのに、それを感じさせない。

上品で美味しいモルトです。

 

 

雑感:いつかきっと絶対

余市のマイウイスキーづくりの1本。

 

自分は初めて味わったのですが、美味しいですねぇ

別のタイミングで参加された方のボトルもこのクオリティなのでしょうか。

 

 

製作過程に関われて、10年後にこんなボトルとして再会できるなんて。

 

心底羨ましい!!!

参加したい気持ちが改めて強くなりました。

 

 

 

 

 

ニッカ ピュアモルト ブラック

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ラベル情報:

PURE MALT

Black

43%

PRODUCT OF NIKKA

 

香り:優しいピートの香り。乾いた煙、シナモン。蜜蝋、ミント。白木のイメージ。

味わい:ふわふわしてる。ファーストアタックは抜ける感じ。あえて挙げるなら洋梨、バニラ、綿菓子。甘い、一瞬で消える。それを置いてから波。潮気、灰、蜂蜜。焦げた樽感、スパイスのニュアンス。薄くケミカルな甘さ。火薬。舌が刺激が残る。

好み:★6 63

 

 

雑感:不思議な食感のモルト

なんと表現して良いのか、難しいです。

芯がない、真ん中がないような、、、これだと悪い意味にとられてしまいそうですが、悪いものではないです。

 

口に含んだ瞬間の軽さは逆に衝撃的。

 

とても軽い、ライトなウイスキー

香りから期待して口に含むと、拍子抜けします。

ですが、あれ? となったその直後に第2波としてしっかりとした味わいが来て。

 

不思議な構成のボトルです。

 

 

自分は個性と受け取りました。

が、人によってはアンバランスと取るかもしれません。

 

真ん中がないと感じたのも自分の本音なのですよね。

気が付いたら酔っていそう。悪酔いしそうとも。

 

 

マイナスの感情は全くないのに、上手く表現できていません。

むずかしい。

 

他の人の感想を聞いてみたいです。

 

 

 

 

アイラモルトがキーになっていた ホワイト と差別化を図るためでしょうか、

重厚感と逆を目指したのかなぁ (※私はホワイトを飲んだことはありませんが)

 

なんだか色々思考してしまうボトルでした。

 

 

 

 

 

ニッカ ピュアモルト レッド

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ラベル情報:

PURE MALT

Red

43%

PRODUCT OF NIKKA

 

香り:甘い香りと香ばしさ。洋梨、熟した林檎。焦げた木の香り、乾燥させた牧草。淡く蜜蝋、シロップの印象も。

味わい:シロップ、ケミカルな甘さ。ベリー系のフルーツ。薄めたオレンジ。樽由来の苦みが優しく、乳酸菌も微かに。草の香りの蜂蜜。余韻には木の香り、短くシンプル。

好み:★6 64

 

 

雑感:飲みやすく優しいブレンデッドモルト

宮城峡がキーモルト

加水ならではの優しいモルトウイスキーです。

 

43%という柔らかさを意識してブレンドされたのだなぁと感じることが出来ます。(当たり前ですが)

 

自分は、蒸留所限定の &シリーズ(※今自分で命名)より好きです。

 

 

や。物足りなくはあるんですけどね。なので★6の範囲ですし。

でも、これはこれとして美味しいボトルと感じました。

 

 

水割りにして食中酒として頂くのも良さそうです。

 

 

 

中身に関係ないですがこのボトル、コルク部分が短いので

開けるときにいつもすっぽ抜けしたみたいになります。

 

これには慣れませんね。

 

 

 

 

 

竹鶴 NA 旧ラベル ※海底熟成ボトルと飲み比べ

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(画像参照:ベンダー :: THE SHARE BAR :: BAR IKKEI :: 海底熟成 竹鶴ノンエイジ(旧ボトル) 2種15ml飲み比べセット - SAKETRY - サケトライ -

ラベル情報(THE SHARE BAR テイスティングボトル):

竹鶴

PURE MALT

43%

BAR 一慶

THE SHARE BAR

 

竹鶴 NA

香り:甘い香り、洋梨や熟した林檎。アルコールの冷たい印象。シロップ。カラメルが微かに。

味わい:林檎、優しく香ばしい樽香、モルティ。セメダイン。オレンジキャンディ、バニラ、シナモン。僅かに渋みを伴う余韻。

好み:★7 70

 

竹鶴 NA 海底熟成ボトル

香り:明るく甘い香り、オレンジ、洋梨、蜜蝋。ベリー。シロップ。乾いた草。

味わい:絞ったオレンジ、ベリー。ふくよかな麦芽感。バニラ、樹液。籠ったような樽の香ばしさ。

好み:★7 74

 

 

雑感:ウイスキーにも瓶熟はあるのではないかという経験。

札幌のバー 一慶 が厚岸の海で12ヶ月熟成させたボトル。

THE SHARE BAR にて飲み比べセットを購入しました。

 

 

ノーマルのNAと海底熟成のNA、比べると大きく違っているのはアルコール感。

海底熟成の方がまろやかになっています。

また、モルトの甘みに奥行きを感じられました。

 

うん。海底熟成ボトルの方が美味しいです。

 

 

 

自分が海底熟成を知ったのは、もやしもんの沖縄回でした。

その情報によると、海中においた泡盛は地上の5倍の速度で熟成が進むんだそうです。

 

その熟成は物理的な変化によるもの。

潮流の振動を受け続けることで水分子とアルコール分子が細分化されて、酒質がまろやかになっていく熟成です。

(同様の効果は微弱な超音波でも期待できるようで、ワインボトルをセットして超音波を当てるデキャンタも販売されてたりします)

 

 

また同時に、泡盛はその成分自体が化学的に変化し熟成していきます。

内包する様々なアルコール類や有機酸類が組み合わさり、バニラや黒糖、オレンジ等の魅力的な香りを漂わせるようになります。

これが泡盛が瓶熟して古酒となる由来。

そして、ウイスキーの熟成との大きな違い。

 

瓶詰後のウイスキーにはこの成分変化による熟成はありません。(と言われています)

ウイスキーの熟成は樽の力をもらって変化するものですから。

 

 

つまり今回の海底熟成された竹鶴は、前者の物理的変化を促されたボトルと言えます。

 

そして結果、美味しくなっていた。

 

 

ウイスキーに瓶熟はあるのかないのか(まろやかになることは瓶熟と言えるのかどうか)は、Twitter界隈では時折議論が巻き起こっていることですが、

この飲み比べを経験したら、自分はウイスキーの瓶熟はあると感じました。

 

 

密封状態のボトルが経年変化で美味しくなっていたなら、それはもう瓶熟でしょう!

 

 

 

 

 

泡盛の熟成については、琉球泡盛さまの記事を参考にさせて頂きました。

琉球泡盛 || 古酒とは | 古酒は沖縄の宝 | 泡盛はなぜ古酒になるのか 【沖縄県酒造組合公式】

読みやすくて分かりやすいサイトです。

ありがとうございました。

 

泡盛では自分は白百合が一番好きです。

土甕の香りがクセになりますよ。

オススメです。

 

 

 

 

追記(23.03.07):

泡盛 白百合について。

この10年前後、私の好きな土甕の香りを感じにくくなっていました。

それについては、自分の感覚が慣れてしまって拾えなくなったものかと考えていました。

 

ですが、先日詳しい方の話を聞いたところ、

代替わりに伴い穏やかな方向に転換していたそうです。(水道管からやり替えたとか)

 

それは自分が違和感を感じ始めたのとおおよそ同じタイミングで。

ホッとしました(笑)

 

自分の感覚を信じることは大切ですね。

正確な情報を多く仕入れることもより大切ですが

 

 

 

 

ついでのようですが。

同じく海底熟成(海中熟成)されたイチローズ ホワイトラベルを飲みました。

やはり、熟成によって違いが出るように感じます。

 

この結果がこの先の熟成技術にどう繋がっていくのか、あくまで遊びの範囲なのか

興味があります。

 

 

 

 

(よろしければ)

 

 

 

 

 

ニッカ シングルカフェグレーンウイスキー ウッディ&メロウ 蒸留所限定

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ラベル情報:

NIKKA SINGLE COFFEY GRAIN WHISKY

WOODY & MELLOW

55%

蒸留所限定

 

香り:アルコールの印象。メロン、蜜蝋やシロップ。枯草や短い樽の香り。

味わい:甘くなめらか、メロウ。シロップ、少しのハッカキャンディ。砂糖。スパイス。乾燥させた牧草、苦み。ピリピリする。

好み:★6 61

 

 

雑感:蒸留所限定のカフェグレーン。

原材料にモルトが含まれているのは、糖化・発酵の段階でモルトを添加しているから。

(グレーン類だけだと糖化しない? なぜ??)

 

 

自分はグレーンがそんなに得意ではないのですが、このボトルは飲みやすくて良いです。

なめらかな甘さに乾いたイメージのニュアンスが乗って。

 

これがカフェ式蒸留器の効果なのでしょうか。

記憶の中にあるカフェグレーンと似ている気もします。

 

 

 

 

  

宮城峡 NA

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ラベル情報:

宮城峡

45%

 

香り:甘い香り、そして乾いた草の印象。ベリー系、すりおろした林檎、オレンジの皮、砂糖、ミント、三ツ矢サイダー。枯草や土の香り。

味わい:甘く、香ばしさが仄かに柔らかく。オレンジキャンディ、洋梨、ミント。木の渋みが微かに。

好み:★6 69

 

【オフィシャルのテイスティングコメント】

りんごや洋梨を思わせる甘く華やかな香りと樽由来のやわらかなバニラ香が調和。

ドライフルーツのようなスイートさとなめらかな口当たり。

モルトの甘みと樽香が優しく拡がるやわらかな余韻が特徴です。

 

※裏ラベルより

 

反芻:香ばしさ のニュアンスが挙げられていないんですね。ギャップもあってか自分は印象的に感じたのですが。“樽香” がそれなのかな?

全体的に柔らかく優しいモルトです。

 

 

雑感:尖ったところがなくても

宮城峡 2000's との飲み比べは、好みの付け方が難しいです。

2000's は度数もあり、味わいがハッキリとしています。ただ、飲み疲れる印象も。

スタンダード NA はというと柔らかい。そしてバランスが良い。

 

ウイスキーラバーに好まれるのは個性的な 2000's だと思います。

ですがこの系統なら、スコッチのエイジングものにもっと良いものがあるとも思えてしまって。。

 

逆に スタンダードの方は、他に同じようなものがないとも思うのです。

柔らかく甘いバランスの良い加水のボトル。

 

 

どちらかのボトルをあげるよと言われたら、自分はスタンダードを選びそうです。

 

 

 

 

久々に飲んだ 宮城峡 NA は香ばしさが印象的でした。

また同じく久々だった 余市 NA もフルーティで美味しくて。

改めての発見。

 

このボトルにはこういうニュアンスがあるハズ とそれを探しにいくようなテイスティングにならなかったのは良かったです。