ポートセルミの箱

ウイスキーのテイスティングをつらつらと。整理整頓中。

アラン 21年 1996 武川蒸留酒販売

ラベル情報:

Arran

21 YEARS OLD

DISTILLATION DATE 08/08/1996

BOTTLED DATE 16/10/2017

CASK SHERRY PUNCHEON

CASK NO. 942

50.6%

LIMITED EDITION

SINGLE CASK SPECIALLY SELECTED FOR MSS

 

香り:ワインカスクもしくはシーズニングを思わせるシェリカスクのクセ。焼き林檎、まったりと甘酸っぱい。蜂蜜やシナモン、洋梨。針葉樹、クローブ。砂糖。籠ったミネラリー、濡れ焦げた材木。

味わい:まったりとしている。熱をいれた林檎、砂糖、蜂蜜。シーズニングシェリカスクのクセ。クローブやシナモン、白胡椒のスパイシーさ。チョコレート。暖かい焦げた樽のコク。飲み込んで少しすると、浮かんでくるのは林檎、りんご飴。甘酸っぱさと渋みが可愛らしくも感じられる。

好み:★7 75

 

 

【オフィシャルのテイスティングコメント】

香り:シェリー、トフィーキャンディ、モカコーヒー、遅れてサルタナレーズン、ドライパパイヤが現れる

味わい:シェリーに漬け込んだレーズン、塩キャラメル、ブラックペッパー、シナモン、ナツメグ

フィニッシュ:マーマレード、トフィーの甘味が長く

 

 

反芻:う~ん。あまり合致しているものがありませんね。特に、林檎 が挙げられていないことに驚きました。自分には、調理されたものからもぎたてまで色々な林檎が感じられたのですが

 

 

雑感:自分史上最長熟成のアランでした。

アランの20年熟成って飲んだ記憶がなくて

残っている範囲でノートを読み返してみたのですが、おそらく初めての経験だと思います。

 

アランは蒸留所の操業開始が1995年ですから、既に27年を経過。

オフィシャルから25年ボトルが世に出ている昨今、どこかで出逢っていてもおかしくないのですが…(もしあったのなら、大変申し訳なく)

 

 

 

兎にも角。

自分にとっては最長熟成のアランモルト

 

とても良いモルトでした。

 

ただ正直、開封直後は ん? となったのも本当です。

その理由は、シェリー樽由来のまったりとした甘みの印象が強すぎたところ。

熟成感に覆いかぶさっているように感じられて

 

ですが、時間をおくとその中から林檎を思わせる甘酸っぱさが見えてました。

 

好いですね。

これを飲みながら、他のアランのボトルにも手を伸ばすととても愉しそうです。(愉しかったです)

 

良いモルトは同じ蒸留所のモルトの良いところを導いてくれます。

 

 

 

 

その流れで。

ブティックウイスキー バッチ4 の記事を読み返してみたところ、

オフィシャルのテイスティングコメントに “サルタナレーズン” が共通していることに気が付きました。

 

自分とオフィシャルのコメントを比べるのは大切ですが、

オフィシャルコメント同士を比べてることも勉強になりそうです。

 

共通するところに、その蒸留所の原酒の個性がある気がします。

 

 

 

 

(文字に起こし始めたばかりの頃で恥ずかしいのですが、よろしければ)

 

 

 

 

ラフロイグ 田中屋 エンジェルシャー/エンジェルシャワー

ラベル情報:

LAPHROAIG

54.9%

ANGEL SHAR

 

香り:潮風、甘いピート。煙の中に静かにフルーツ、グレープフルーツやファイバーパイナップル。塩素。

味わい:妖艶。丸っこい。豊かな煙、焦げ感、甘いピート。グレープフルーツの白皮、マンゴスチン。濃い紅茶、潮気、薬品香。白胡椒。しっかりとした樽の香りが贅沢に。

好み:★8 87

 

 

雑感:濃い、旨いラフロイグ

その一言に尽きます。

 

ラベルには情報がなく。分かるのは蒸留所名と度数くらい。

 

目白田中屋のPB。

 

 

 

シャー…

 

裏ラベルでは エンジェルシャワー に

 

 

 

 

 

VAT69 ヴァット69 雑酒特級 50年代流通?

ラベル情報:

VAT69

FINEST SCOTCH WHISKY

43度

雑酒 特級

 

香り:キラキラと華やかに甘い香り。カラメル、オールディなモルト香。蜜糖。ハッカ。乾燥させた牧草。

味わい:麦芽を噛み潰したような甘みと苦み。カラメルや蜂蜜、蜜糖、ハッカ。穀物ちっく、煙草、焦げ草のアクセント、きっと内陸系のピート香。余韻には綿菓子、そして微かなえぐみ。

最初の1杯はほろりと甘く柔らかい口当たり、杯を重ねると重みが大きくなり印象が変わってくる。

好み:★7 76

 

 

雑感:死んでいて元々

そう思って購入したのですが、覚悟していたより状態が良い印象。

もちろん抜けている感触は大きいですが、ハズレではないです。良かった。

 

 

今回は開封したて。

テイスティングノートにも書いたのですが、初めはふわりほろりとした印象でした。

美味しいけれど、劇的に響くものでもないといった感じ。

 

それがいつしか、重たい甘みが腹底にずんと。

 

気が付いたら残量が半分まで減っていて、

驚きました(遅い)

 

 

今日現在のことろ、

劇的ではないというのは本当の気持ちです。

 

ですが、気が付いたら次の1杯を注いでいるという点で、魅惑される要素も確かにあるようで…

 

これは、僅かにあるえぐみの働きなのか、オールドピートの働きなのか、それらは同じものなのか、

自分には判断が付かないのですが…

不可思議なボトルです。

 

 

…開いてくるのを待たなかった自分を恨むことになるのかも。

 

 

 

 

大きな欠点は、注ぐ度に酒税証紙やネックラベルに黒く染みるところ。

失われているところが目に見えてムズ痒くなります。貧乏性

 

 

 

ちなみに、

微加水したところ、明るく甘くなりました。

が、それは最初の1杯に戻った印象。

 

J&Bやパスポートで味わえるそれなので、

自分としては、ストレートが良いと思います。

 

 

 

 

追記(23/06/23):

70年代ボトルの記事を上げるに向けて再度テイスティングを。

 

香り:焦げた籾殻とサイダーの酸味。麦芽の白い甘み。乾いたピート香、黒土。少しの薬品香。ややケミカルな酸味、マスカットの皮、グラニュー糖のよう。

味わい:コクがある。苦みを感じるピーティな麦芽感。土っぽい。ケミカルな甘み。葡萄大福。フィニッシュにかけては爽やかな酸味を感じる。

好み:★8 80

 

 

雑感:開いていました。

こうなると、開封直後に半分くらい飲んでしまったのがもったいない!!(アホ)

 

特に強くなっているのは、麦芽。籾殻や焦げ感が強いイメージ。

また、ピートの感触も上手くこなれてきているように感じます。

 

 

好いですね。

 

うん。このボトルも当たりのボトルでした。

 

 

 

 

(よろしければ)

 

 

 

 

 

タムナヴーリン 24年 スティルマンズドラム 90年代後半流通

ラベル情報:

TAMNAVULIN

the Stillman's Dram

AGED 24 YEARS

45%

 

香り:ふくよかな麦芽香。洋梨、青林檎、爽やかなフルーツ感。炒った麦芽香、籾殻。乾いた煙も。

味わい:麦芽の旨み。シナモン、生姜、スパイシー。水飴。炒った豆殻。タンニンを思わせる印象が舌に残る。

好み:★8 83

 

 

【オフィシャルのテイスティングコメント】

A LIGHT TO MEDIUM BODY RESULTS IN A SMOOTH CLEAN NOSE WITH FLOWERY  NOTES DELICATELY BALANCED BY TINGES OF DRYNESS.

(ライトからミディアムボディ、花のような香りとドライさが絶妙にバランスのとれたなめらかでクリーンな香り)

SOFT, ELEGANT. THE GENTLE MALTY SWEETNESS  FILLS THE TASTE  BUDS. LINGERS PLEASANTLY.

(ソフトでエレガント。優しいモルティな甘さが口いっぱいに広がる。心地よい余韻が残る)

 

※裏ラベルより

 

反芻:雰囲気は合っているように感じます。味わいの “優しいモルティな甘さが口いっぱいに広がる” は大きく首肯するところ。また、“心地よい余韻” は樽由来の渋みを愉しんでのことではないかと想像します。

香りの方も、表現の違いはあれど空気感は合っていると思うのです。

 

 

雑感:初めましての蒸留所でした。

ボトルを前にして、閉鎖蒸留所かと思ったくらい(苦笑)

シングルモルト大全にも載っているのに…

 

検索して出てきたボトルを見て、あぁ!となった次第です。。

 

 

そんな?タムナヴーリン蒸留所。

ホワイト&マッカイ社の序列では、所有する5ヶ所の蒸留所(ジュラ、フェッターケアン、ダルモア、グレーン製造のインバーゴードン蒸留所)の最上位に位置するそうで。

 

表に出ることはなくも、ずっとブレンデッドウイスキーを支えてきた蒸留所。

 

まさに、『著名なブレンデッドウイスキーのキーモルトに外れなし』を体現する1杯でした。

 

 

 

経験できて良かった。

感謝です。

 

 

 

 

 

ラフロイグ 12年 2005 OMC20th記念ボトル JIS向け

ラベル情報:

LAPROAIG

AGED 12 YEARS

DISTILLED NOVEMBER 2005

BOTTLED SEPTEMBER 2018

CARGED FROM A REFILL HOGSHEAD

ref: HL15035

52.9%

EXCLUSIVE BOTTLING JIS

THE 20TH ANNIVERSARY OF THE OLD MALT CASK SERIES

HANTER LAING

 

香り:潮風、ピーティ。グレープフルーツのワタ、レッドカラント。酸味のあるフルーティ。海藻、昆布、薬品香。メンソール。ヨーグルト、柔らかくスモーキーにモルティ。

味わい:ピーティな麦芽感が柔らかく。海藻、波飛沫。金属片。ヨーグルト。バニラウエハース。グレープフルーツの白皮、レッドカラント。煙草。ドライな印象。ヨードの甘みが長く。

好み:★7 74

 

 

【オフィシャルのテイスティングコメント】

NOSE: SALT, PEAT, AND IODINE.

(香り:塩、ピート、ヨード)

PALATE: SEAWEED, IODINE, AND SALTY PEAT.

(味わい:海藻、ヨード、塩辛いピート)

FINISHU: MEDIUM LENGTH, WITH MEDICINAL NOTES.

(フィニッシュ:薬品香。中程度の長さ)

 

※ラベルより

 

反芻:オフィシャルブログのコメントがシンプル過ぎてアレなのですが、雰囲気は合っていそうです。

フィニッシュの長さについて、私が 長い と感じたものにオフィシャルは “中程度の長さ” と感じたその違いは、上等なものを飲んできた経験値の差に由来するような気もします。(開き直るなら、オフィシャルや著名な方のテイスティングコメントを100%受け入れる必要はないとも言えるのかな?)

 

 

雑感:若さもあって良いラフロイグと思います。

メンソールや酒質の肩さ、ヨーグルトのヒント。

海藻とピートの甘み、ベリーっぽい酸味。

短熟ならではの美味しさ。

 

ピーティなモルトのいいところですね。

 

 

 

 

The Share キリン(ウィリアムソン)と飲み比べてみました。

面白いと思ったのは、湿度や粘り気みたいなものの違い。

湿度や粘り気から由来するフルーティな部分。

 

それについては、今回のボトルに軍配が上がると感じました。

 

 

もちろん樽の個性の違いなのでしょうが、

ラフロイグ』と『ウィリアムソン』と表記される違いはこの辺りにあるのかな なんて想像してみたり。

 

 

ちょっとした戯言でした。

 

 

 

 

 

ラッキーセブン AWA ヘップ蒸留所

ラベル情報:

777 LUCKY SEVEN

Distillerie HEPP

ASSEMBLAGE UNIQUE 7 FUTS

PINOT GRIS (BAS-ARMAGNAC, RIVERSALTES, SYRAH, SHERRY, TORFIG, PINEAU DES CHARENTES)

48.6%

AWA

 

香り:ひと嗅ぎでワイン樽熟成と分かる香り。赤ワイン樽の甘い香り。焼き崩した林檎。ハッカ。コニャックらしさも瞬間。

味わい:複雑味のあるワイン樽。砂糖、薄めたオレンジの果汁。ブラックベリー。コーキングされているよう。蝋燭。ミントキャンディ。

ワイン樽の多様性が感じられると言ったら大げさだろうか。

好み:★6 63

 

 

【オフィシャルのテイスティングコメント】

ピノ・グリ、シラー、アルマニャック、シェリー、ピノー・デ・シャラント、リヴザルトを仕上げ熟成した樽とTorfig=ピート香のついた樽、計7種の樽をブレンドした複雑な風味を持つ華やかなスペシャルウィスキー。

果実味豊かなワインとフルーツコンポートの風味、スパイスとアルマニャックの樽からくるピュアな風味、太陽の恵みをいっぱいに受けた甘やかなリヴザルトの風味を伴ったまろやかな味わいが印象的です。

 

※資料より

 

反芻:“果実味豊かなワインとフルーツコンポートの風味” はその通り!となりました。“リヴザルトの風味” とは、おそらく凝縮感を指しているものと思います。

 

 

雑感:シングルカスクではない良さ。

資料を読む前に、複数のワイン樽の印象を感じられたので、あながち自分の感覚も捨てたものではありません(笑)

 

度々同じことを言っていて恐縮なのですが、

今現在の自分はワイン樽熟成のモルトが好みではないです。

 

それにも関わらず、このボトルのワイン樽のニュアンスは面白かった。

色々な顔を見せてくれるというのでしょうか。

 

ワインに詳しかったり、ワイン樽熟成が好みだったりすると、より感じられるものがあるのかなぁと想像してみたり。

使用された樽を当てられたら、それこそ漫画のソムリエのようですね。

 

 

 

それにしてもボトルのネーミングセンス!

『ラッキーセブン』というボトルを見て、シングルモルトと気付く人はいないのではないでしょうか。

ブレンデッドウイスキー(もしくは他のお酒)と受け取られると思うのですが…。

 

他にも、資料に載っている蒸留所名が『HEPP蒸留所』となっていて、読み方が分からなかったり…。

 

 

フランス市場の文化は知らないのですが、

色々ともったいない気がします。

 

 

 

 

追記(23/10/04):

 

ハイボールでいただきました。

 

断然美味しいです。

ケミカルなオレンジが弾ける感じ

 

こちらが本領ですね。

 

 

ものは試しな気持ちで是非1杯

 

 

 

 

 

ブラックボトル 60年代流通

ラベル情報:

BLACK BOTTLE WSHIKY

A BLENDED OF THE FINEST SCOTCH WHISKY

70° PROOF

GORDON GRAHAM

 

香り:蜜飴、濡れた落ち葉。和梨もみじおろし、たまり醤油のアクセント。

味わい:牧草、仄かな煙。モルトの甘み。ミントや蜂蜜。加水のニュアンス。黄金糖、蜜飴。赤いフルーツ。枯草、煮干し、土の香り。コクがある。

ピートに由来する甘みが心地よい。

好み:★8 81

 

 

雑感:先日のバランタイン 17年とは逆に

香りをかいだ瞬間、ヘタっちゃったかと不安になりました。

 

ですが、味わいは蜜っぽさが豊かで魅力的なウイスキー

自然と黄金糖が浮かんで来ました。きらきらした見た目に対してまったりとしたあの蜜感。ぴったりと思うのですw

 

もちろん、落ち着いたオールディな煙も漂っていて。

土の印象が大きいですが、魚介出汁の風味もあり、

フィニッシュまで残るフルーティな甘酸っぱさも、

魅力的な味わいとなっています。

 

 

もっと濃いものを! と思ってしまう気持ちはありますが、

きっとケンカしてしまうのでしょうね。

 

この甘みは加水が故と思いますから