ポートセルミの箱

ウイスキーのテイスティングをつらつらと。整理整頓中。

キルホーマン 7年 2013 ハリーズ高岡

ラベル情報:

KILChOMAN

DATE FILLED 29.8.2013

DATE BOTTLED 9.4.2021

BOURBON MATURED SINGLE CASK

CASK NUMBER 623/2013

PHENOL LEVEL 50PPM

57.1%

BOTTLED EXCLUSIVELY FOR HARRY'S TAKAOKA

 

香り:消毒液、甘い木の香り。シロップ、薬草、ミント。ヨード香。潮気も少し。薄くバニラ。どこかオイリーに感じる。

味わい:背筋を伸ばしてシャンとしている。乾いた煙、潮気、樽の甘み。ジンジャー、焚火の燃えカス。ハーブよう。葡萄、ミネラリー。蜜蝋がハッキリと。ミント。余韻は長く、煤を被ったフルーツを感じる。

余韻が本番とも。

好み:★7 75

 

(上の約半年後)

香り:軽やかなピート、バニラが豊かに。蜂蜜、オレンジシロップ。ハッカ。海苔、煙草のニュアンス。

味わい:甘いピート、海苔。潮気。バニラビーンズ、樽の甘みが心地よく。濾したオレンジ。モルティ。余韻には乾いたピート香、炒った豆殻の苦み。

優しく甘く、程よく苦い。美味しい。

好み:★7 78

 

 

 

【オフィシャルのテイスティングノート】

香り:ややドライな香り立ち。強いピートスモークと合わせてシトラスのようなシャープな柑橘感、薬品香のアクセント。奥には煙に燻された黄色系フルーツが潜んでいる。

味:香りに反して口当たりは粘性があり、燻した麦芽やナッツの香ばしさ、ほろ苦さに加え、熟したグレープフルーツやパイナップル等の黄色系の果実感が広がる。

余韻は強くスモーキーでピーティー麦芽の甘みと柑橘感、微かに根菜っぽさ。愛好家がアイラモルトの一つに求めるようなフルーティーさが湧き上がり、長く続く。

総評:グラスに数滴加水するとフルーティーさがさらに開く。粗削りではあるが、それ以上に良い部分が光る、将来有望な若手スポーツ選手に見るような未完成故の魅力を感じさせる。エース候補の現在地を確かめて欲しい。

 

香り:真っ白い灰、強く上品なピートスモーク、メンソール、パイナップル、アプリコット、熟れたバニラ、爽やかなグレープフルーツ、微かに木の燃えさしと炭。

味:強めの粘性を伴った丸みのあるテクスチャー、上品なピートスモーク、熟成年数以上に熟れた麦芽の甘さ、塩気、パイナップル、アプリコット、グレープフルーツのワタと全体を引き締めるピール、少しの炭と灰。後口は、グレープフルーツのピールのようなビターさが舌に残り、微かに上品なスモークソルトと灰が続く。

総評:短い熟成年数以上の仕上がりの良さと、キルホーマン蒸留所のアイラモルトとしてのポテンシャルの高さを体現する1本。

 

 

反芻:余韻の “愛好家がアイラモルトの一つに求めるようなフルーティーさ” は本当にその通り!と感じました。

逆に違いを感じたのは、香りのニュアンス。“グレープフルーツ” をはじめとする黄色いフルーツ系を自分が挙げられなかったのが気になります。一番上げやすい項目ですよね、グレープフルーツ。余韻には感じたのですが…

 

 

 

雑感:短熟だけど時間をかけて

経験数は少ないですが、キルホーマンのモルトには短熟故の良さだけではないプラスアルファがあると思っています。

このボトルもそんな1本。

 

自分の感じたものは、ドライなピーティ。煙だったり煤だったりミネラリーだったり

そして下から見えてくる余韻のフルーツ。

これがとても良い。

 

モルトの満足感は余韻にかかるところが大きいと感じさせられました。

 

 

ごちそうさまでした。

 

 

 

 

ふと。

キルホーマンも長熟の域になるとアイラピートがジューシーな南国フルーツに変化するのでしょうか?

とても気になります。