ポートセルミの箱

ウイスキーのテイスティングをつらつらと。整理整頓中。

ラフロイグ 15年

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ラベル情報:

LAPHROAIG

AGED 15 YEARS

43%

 

香り:感嘆する。南国フルーツと甘い煙、潮風。パッションフルーツ、ファイバーパイナップル。苺のフルーツサンド。甘酸っぱい。甘い煙と潮風がアクセントに、焦げた木の香り。爽やか。

味わい:甘い潮風、スモーキー。パッションフルーツ、パイナップル、フレッシュなフルーツ。海藻、煙草、ヨード香。ここで加水のニュアンス、まろやかに。モルティ、穀物の優しい甘み。

口に含んだ瞬間は甘い潮風、飲み込むとモルティ。吐いた息はフルーティな煙。ひと口の中に物語があるよう。

好み:★9 92

 

 

雑感:これがオフィシャルスタンダードだったというのだからもう

煙とフルーツの渾然一体感は他では味わえませんね。

とても好き。

 

直前にフルーツカクテルを飲んでいたのに負けていませんでした。

 

 

手元にある 200周年ボトル を飲み直してみたのですが、

自分としてはこちらの方に軍配が上がるなぁ と。

 

フルーティさは双方に特徴あれど、

モルトのニュアンスが心地よくて。

なにより加水の調子が素晴らしい。

  

90年代以前にはこのボトルが普通に販売されていたのですよね。

言葉もないです。

 

 

 

 

もちろん、周年ボトルも充分美味しいです。

潮気と泥炭、南国フルーツ。。

弱いとも感じられますが、飲みやすくて。

 

いや周年ボトルとても美味しい。

どんどん継ぎ足しちゃいます。

 

買って良かったな。

 

 

 

 

自分の過去の記事を読み返してみたら、同じコトを言っていて

なんだか笑ってしまいました。

 

 

 

(よろしければ)

 

 

 

 

 

イチローズモルト&グレーン リミテッドエディション2021

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ラベル情報:

Ichiro's Malt & Grain

Blended Japanese Whisky

LIMITED EDITION 2021

48.5%

原材料:モルト、グレーン

 

香り:ミント、緩やかに甘く、バニラシャーベット。オリエンタルな樽香。バナナ、土の香り、柿の葉。微かに埃っぽい。

味わい:バナナ、柿の葉、干柿。ミント、グレーンの甘み。氷菓子。爽やかな樽香があって、オリエンタルなイチローズの香りが長く残り心地良い。

好み:★8 84

 

 

【オフィシャルのテイスティングコメント】

黒糖のような重みのある甘さに溶け込む爽やかな酸味、熟成庫の記憶を孕んだ樽香は、余韻となって口の中でいつまでも心地よく続きます。

 

※裏ラベルより

 

反芻:“爽やかな” が合致していたのは嬉しいです。オフィシャルのコメントが大まかなイメージなのであれですが、今回は把握できているのではないでしょうか。

分かりやすく美味しいウイスキーです。

 

 

雑感:秩父で熟成されたブレンデッドジャパニーズウイスキー

グレーンも日本産なのですね。

川崎蒸留所のシングルグレーンというやつでしょうか。

 

03年に閉鎖された川崎蒸留所。

当時の日本の蒸留所で特別上等なグレーンを作っていたとは考えにくいので、時間の魔法の効果が大きいと推察します。

 

信じて保管し続けたベンチャーウイスキーにもたらされた豊かな実りですね。

 

美味しかったです。

ごちそうさまでした。

 

 

 

 

この日は写真が綺麗に撮れたと思います。

特にこのボトルは下部の陽光が炎のようで、黒いラベルが映えていて。

 

満足ですw

 

 

 

 

 

スプリングバンク 10年 2010 ローカルバーレイ2021

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ラベル情報:

SPRINGBANK

Local Barley

AGED 10 YEARS

Distilled: June 2010

Bottled: Decmber 2020

Barley source: Glencraigs Farm

Barley type: Belgravia

 

香り:豊かなモルト香。落ち着いたシェリー樽、べっこう飴。ミント、バナナ。ハイカカオチョコレート。お仕舞にかけて潮気が舞い上がる。

味わい:気持ち良く甘い潮気。深いシェリー樽の甘み、オレンジケーキ、メレンゲ、レモン。

好み:★8 83

 

 

【オフィシャルのテイスティングコメント】

香り:レーズン、プルーン、ダークチョコレート、深煎りコーヒー豆、クルミ
味わい:リッチでクリーミークレームブリュレオレンジピールナツメグ、マラスキーノチェリー、キャラメル、ショートケーキ、塩 

 

※通販サイトより

 

反芻:同じものは挙げられていないのですが、おおよその方向は合ってると感じました。

そのくらい分かりやすいシェリー樽熟成のスプリングバンクです。

 

 

雑感:久々に飲みました。ローカルバーレイ

世界中にファンのいる スプリングバンク ローカルバーレイ。

2020年が最後と聞いていた気もするのですが、21年も販売されたそうです。

 

ローカルバーレイ、バーでも販売店でも出会える機会が少なくて、正直な話自分は経験に乏しいです。

(地方民の悲しさか、本人のアンテナの低さか…)

 

 

飲んでみるとみんなが探し求めるのも分かります。

美味しい麦のお酒。

 

このボトルもシェリー樽熟成の良いところと麦芽の甘みが混ざりあっていて。

とても美味しい。魅力的でした。

 

こういった品質のボトルが年に1回販売されていたら、手元に置きたくなりますよね。

農場の名前が載っているのもマニア心をくすぐられて。

 

ファンの大きな期待に応えてくれる良いシリーズですね。

 

 

 

中身と関係ないですが、

裏ラベルには、“ローカルバーレー” と記載されているんですね。

ネットだとみんな ローカルバーレイ としか書いていませんが

 

Google先生に至っては、『もしかして:ローカルバーレイ』と確認して来る始末。

 

ここまでオフィシャルの表記が気にされていないのも不思議です。。

 

 

 

 

 

レアオールド・ブレンデッドウイスキー 54年 1966 クラウニングカスク ホール・オブ・フェイム

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ラベル情報:

RARE OLD BLENDED WHISKY

Aged 54 years

Distilled in 1966

Bottled in 2021

Hogshead No.29

48.4%

原材料:モルト、グレーン

Crowning Cask - Hall of Fame -

 

香り:陶酔感がある。高級な蜂蜜、アンティーク家具。ローストした樽の香りが短く。アーモンド。バニラビーンズ、ミント。蜜蝋とオレンジの皮。焼きたてのパウンドケーキ。

味わい:上品なグレーンの甘みが伸びやかに。ひやりとしている。蜜蝋。ゼラニウム、バラの花。蜂蜜。オレンジジュース、ラム酒。味の染みたパウンドケーキ。ひとつまみのナッツ、綺麗な木の香り。

総じて上品な印象。

好み:★8 89

 

 

【オフィシャルのテイスティングコメント】

クリーンで軽快、長期熟成ならではの樽香やフルーティなど甘く華やかな香りが豊かに拡がります。繊細でバランスの良い香りは、まさに芳醇という言葉がぴったり。凝縮された香りの豊かさは54年という時間の長さを感じさせるに十分で、僅かな加水により内包された香りが見事に表れます。一瞬レザーを感じさせたかと思うとトロピカルフルーツ、ドロップ、ミルキー、長期熟成のブランデーを思わせる華やかな香りなどが次々に押し寄せます。ならかな口当たり、甘さと酸味、ビターな余韻が心地良い、ブレンデッドならではの魅力にあふれたウイスキーです。

 

※裏ラベルより

 

反芻:“長期熟成のブランデー” でしたか、自分はラム酒が浮かんできました。他のお酒の経験値も要りますね。大きいところでは、“トロピカルフルーツ” を拾えていなかったことと、逆にフローラルなぬ餡巣が挙げられていないことが印象的。自分のフローラルは “甘く華やかな香り” に該当していると思うのですが。

全体的にズレている印象ですね。もったいないな。

 

 

雑感:味わいよりも香りを重視してブレンドされている印象を受けました。

素晴らしい品質のグレーンを感じられて。

とても美味しいウイスキーです。

ですが美味しい以上に、上品や綺麗という言葉が浮かんでくるウイスキー

 

もはや自分に向けではないような、場違い感まで覚えてしまいました。

もしくは、自分にはまだ早いという方が正確かもしれません。全部を味わえていないんじゃないか と。

 

強いのも弱いのも硬いのも柔らかいのも全部経験してきた人こそ愉しめる。

そんなイメージ。

 

 

もっと年を取った後、このボトルに相応しい人になっていたいですね。

 

 

 

 

追記(21/10/31):

麻屋商店 詰め替えボトルにて再テイスティング

香り:上品な印象。フローラル、ラベンダーやバラの花。デパートの化粧品売り場。バニラ、蜂蜜。オレンジティー。ミント。湖底に沈んだ樹木、苔た土の香り。

味わい:なめらか。グレーンの甘みが伸びやかに。バニラや蜜蝋。上品にオーキー。オレンジの皮。フローラルなニュアンスが浮かんで。アンティーク家具、木の香りをまとう。余韻にはグレーンのなめらかな甘み、そして葡萄の搾りかす。とても長い。

涼やかな印象。

好み:★8 87

 

 

雑感:フローラル? パフューミー??

ボウモア 20年 1989 ウイスキーフェア の記事で書きました、フローラルなのかパフューミーなのか悩む問題。

このボトルが最右翼のひとつ。

 

とてもフローラル。だれが飲んでもそう表現されると思います。

ただ同時にチラチラ浮かんでくるのが化粧品売り場のイメージ。(ケバいのではなく上品なそれ)

この感じ方って他人に伝えるのが難しいです。

 

例えばバーでこのボトルを飲んでいて、マスターにパフュームを感じると伝える勇気は自分にはないです。

 

パフューム=マイナスの表現(もしくは弄っていい) というイメージが自分にこびりついているのでしょうね。ネットの大きな声の影響というのでしょうか

 

 

このボトル、自分はフローラルもパフューミーも両方感じました。

 

ここは自分だけの感想置き場ですので正直に書き留めておきます。

 

 

 

 

 

イチローズモルト ダブルディスティラリーズ 秩父×駒ヶ岳 2021

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(画像引用:ベンダー :: THE SHARE BAR :: BAR fishborn :: 秩父×駒ヶ岳 2種19mlセット - SAKETRY - サケトライ -

ラベル情報(THE SHARE BAR テイスティングボトル):

CHICHIBU × KOMAGATAKE

CHICHIBU AGING

Ichiro's Malt Double Distilleies 2021

BLENDED MALT JAPANESE WHISKY

53%

BAR fishborn

THE SHARE BAR

 

香り:丸っこい。ナッツのオイル。バニラ、バナナ。杉、ユーカリ洋梨。落ち着いた樽香。

味わい:バニラ、バナナ。ナッティ。クリーミー。シナモン。ユーカリ。杉。シロップ。エスニックな樽香。緑茶の出がらし、微かな渋み。

好み:★7 74

 

 

雑感:マルスとはまた違うブレンデッド。

マルスモルトデュオが上下から双方の特徴が来て咥内で交わるイメージなら、

イチローモルトのダブルディスティラリーは、一緒に飛び込んでくるイメージ。

 

それぞれの原酒の違いもあるのでしょうが、積み重ねてきたブレンデッドモルトブレンデッドウイスキーの技術やコンセプトの違いが表れているかのようです。

 

面白いですねぇ

 

 

 

今度、両メーカーのブレンデッドウイスキーも飲み比べてみようと思います。

なにか気付けるものがあったらいいな

 

 

 

 

 

マルス モルトデュオ 駒ヶ岳×秩父

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(画像引用:ベンダー :: THE SHARE BAR :: BAR fishborn :: 秩父×駒ヶ岳 2種19mlセット - SAKETRY - サケトライ -

ラベル情報(THE SHARE BAR テイスティングボトル):

KOMAGATAKE × CHICHIBU

SHINSHU AGING

Malt Duo

Blended Malt Japanese Whisky

Distilled at Mars Shinshu Distillery & Chichibu Distillery

Matured at Mars Shinshu Distillery

Bottled in 2021

54%

BAR fishborn

THE SHARE BAR

 

香り:爽やかな駒ヶ岳モルトの香り。針葉樹、洋梨、青林檎。濡れた芝生。奥の方にバナナ、シナモンも。

味わい:爽やかな甘みと重たい甘みが同時に。爽やか系は杉、洋梨ユーカリ、乾いた草。蜜蝋。重たい方はバニラ、バナナ、シナモン。それらをしっかりとした樽香が包み込んでいる。フィニッシュはドライ。

好み:★7 74

 

 

雑感:満足感がありました。

前回にスペックで判断してはいけないと目が覚めたばかりですが、

こちらはスペックからたまらなく惹かれてしまうボトル。

 

2015年にマルス信州蒸留所とベンチャーウイスキー秩父蒸留所で原酒を交換、その後それぞれの地で熟成されブレンド

こちらはマルスから販売された駒ヶ岳メインの1本です。

 

 

香りは駒ヶ岳の特徴が表れていますが、味わいは両蒸留所の特徴が色濃く感じられる。

双方の個性が活かされています。

 

 

どんな味わいになるんだろう という期待や体験欲と

こんな味わいになるのか という充実感や満足感。

 

想像したり探ってみたり、くすぐられた好奇心にも応えてくれて

色々な方面から満足。

愉しませて頂きました。

 

 

 

 

 

駒ヶ岳 3年 2016 BAR fishborn 10周年記念シロップボトル

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(画像引用:ベンダー :: THE SHARE BAR :: BAR fishborn :: マルス駒ケ岳 BAR fishborn10周年記念シロップボトル 19ml - SAKETRY - サケトライ -

ラベル情報(THE SHARE BAR テイスティングボトル):

駒ヶ岳

Mars Shinshu Distillery

AGE YEAR : 3yo

Distilled: May 2016

Bottled: Mar. 2021

Cask Type: Bourbon Barrel

Cask No. 3319

62%

BAR fishborn

THE SHARE BAR

 

香り:爽やか、ユーカリや針葉樹のイメージ。埃っぽさ。砂糖、オレンジの皮部分。樹液。

味わい:粘度を感じる。杉、木の皮。煤。グラッシーかつフルーティ。ライム、蜂蜜とシリアル。オレンジ。ユーカリと金属っぽさが浮かんでくる。

好み:★7 73

 

 

雑感:若くて美味しい駒ヶ岳

とても美味しいです。

 

駒ヶ岳の爽やかさと低い音の甘み。

3年ものなのに嫌なところがなくて。

 

スペックで判断してはいけないと目が覚める思いです。

 

 

今回は同封されていた解説書を読みながら愉しませて頂きました。

いつかはカウンター越しにお話を聞きながら…