ポートセルミの箱

ウイスキーのテイスティングをつらつらと。整理整頓中。

トマーティン 12年 オリジナルコレクション ケイデンヘッド

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ラベル情報:

TOMATIN

AGED 12 YEARS

46.0%

CADENHEAD ORIGINAL COLECTION

 

香り:ミルキー、オレンジリキュール。乾いた樽香。

味わい:クリーミー、シロップの印象。フルーツキャンディ。軽い渋みがあり旨い。乾いた牧草も。

好み:★7 72

 

【オフィシャルのテイスティングコメント】

香り:粉砂糖、マジパン、ストロベリージャム、ケーキ

味わい:ソルトスイートポップコーン、レモンメレンゲパイ、オレンジピール 

 

※通販サイトより

 

反芻:“レモンメレンゲパイ” は上手いこと言うなという印象です。全体的に方向は合っているかな? ケミカルな印象のフルーツ感が愉しいボトルだと思いました。

 

 

雑感:初めて飲んだオリジナルコレクション。

ケイデンヘッドが多くのウイスキーファンに飲んでもらうために発売した、シングルカスクではないシングルモルトとのこと。

 

飲みやすいですし、味わいも良いと思います。

今回は飲む順番もあって辛めの評価になったきらいがありますし。

 

 

ただ単純に、オフィシャルのボトルと差別化はどう取るのだろう という疑問も浮かんでくるシリーズです。

コンセプトは好きなのですけど、ウイスキーファンがボトラーズに求めているものとは違うような。。。

 

価格と個性のバランスが良いものが出てくれたら良いのですけど。

期待しつつこの先を待ちたいと思います。

 

 

 

 

 

ジュラ 10年 80年代前半流通

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ラベル情報:

ISLE OF JURA

10 YEARS OLD

43%

特級

 

香り:ほんのりとした麦芽の甘み。シリアル。遠くの潮風。深く吸い込むと葡萄とオレンジリキュール。

味わい:豊かに深くて旨い。麦芽の甘み、オレンジ、フルーツキャンディ。濡れた土、乾燥させた牧草。濃い蜂蜜。ミルキーでもある。低音のフルーツと高い音の少し焦げたような牧草の余韻が愉しい。

好み:★8 86

 

 

雑感:SHARE BAR にて経験した8年とおそらく同じ時期のボトル。

ですが、自分のテイスティングコメントを読み比べてみると同じ蒸留所のものとは思えませんね。。。

 

こちらは開栓まだ新しく、その差が味わいに出たのではと推察します。

そして数杯飲んだ後というコンディションの違いもありますし。

しかしそれらを踏まえても、、、ううむ。

 

 

なんとも恥ずかしいですが、それぞれ本当に感じたことなのです。

  

まぁ味わう環境も状況も含めてウイスキーですよね。

などと逃げて〆てみます。

 

 

 

(よろしければ)

 

 

 

 

 

アードベッグ 27年 1973 キングスバリー

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ラベル情報:

ARDBEG

aged 27 years ※裏ラベルより

1973

cask type: hogshead ※裏ラベルより

47.4%

kingsbury

 

香り:煤、海藻。活き活きとした木。苺ジャム。柑橘系。貝殻。

味わい:じっくりとしたフルーツの甘みが豊かに。濡れた焚火、甘い煙。海藻や塩っ気。柑橘系のフレーバーと桃缶のシロップ。シリアルのニュアンスも。余韻には微かな蜂蜜が浮かび、甘い煙が豊かに長く続く。

口に含んだ味わいはもちろん、余韻がたまらなく心地良い。

好み:★9 95

 

【オフィシャルのテイスティングコメント】

Gentle yet profound with remarkable balance combining tropical aromas with hints of honey and lemon.

(トロピカルなアロマに蜂蜜とレモンのヒントを加えた、穏やかで重厚なバランス。)

Smooth ans silky on the taste. The pronounced peatiness interacts wonderfully with a medley of walnuts, spices and biscuits.

(滑らかでシルキーな味わい。特徴的なピート感は、クルミ、スパイス、ビスケットの層と調和している。)

Supremely elegant.

(極めてエレガント)

 

※裏ラベルより

 

反芻:おおよそ合っていると思う。

“ビスケット” とシリアルは、おそらく同じものを指しているかと思います。溢れるフルーツの中に確かに感じたものなので嬉しいです。

 

 

雑感:多層的。エレガント。

 良いですね、美味しいです。

フルーツに圧殺されるでもなく、ピートに埋もれるでもない。

 

上品でバランスの良い1本だと思いました。

ファンの多い蒸留所ですが、みんなこの味わいを求めているのかな。

納得です。

 

 

 

 

 

ラフロイグ 21年? 1977 BBR

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ラベル情報:

LAPHROAIG

1977

BOTTLED 1999

DRAWN FROM CASK No. 5081

43%

Berrys' Own Selection

BERRY BROS & RUDD

 

香り:熟した南国フルーツ。柑橘類の甘み、パッションフルーツ、マスカット。甘い煙。海藻。乾いた木材、少しの消毒液。灰がかかった華やかでまっすぐとした家具。

味わい:緩やかに甘く、優しい煙。クリーミー。潮風、海藻。木の苦み。燻されたフルーツのような甘みがやさしく長く。

好み:★9 95

 

 

雑感:2年間の変化について。

約2年前にほぼ開栓直後を飲ませて頂き、今回ほぼラストの状態で頂きました。

当時のメモには一言、『旨い。南国フルーツが煙を纏って』。

 

記憶にあるそれを今回のテイスティングと比べると、

香りはもっと仄か、味わいは逆にもっと濃くジューシーだったイメージです。

 

40%程度であると、開栓1年以内が飲み頃と言えるのかも知れません。

ただ、今回の方が香りがよく開いていたのもまた印象的。

 

開栓後の経年変化の両方を味わえた幸運。感謝しきれません。

 

 

 

経年変化というと、2年間で変わったのは自分もそうで。

ウイスキーを愉しむにあたって、ニュアンスをもっと沢山拾いたい、イメージを深めたいと思うようになりました。

当時よりテイスティングを愉しめていると思います。

ですが同時に、当時の方が素直に楽しんでいたかも、少なくともカウンター越しの会話は当時の方が多かったなという反省も浮かんできました。

 

 

ボトルの変化と自分の変化。

甘みの中にほんのりあると苦いものを味あわせて頂きました。

 

 

 

 

 

 

ロングモーン 1969 GM

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ラベル情報:

LONGMORN

DISTILLED 1969

ORIGINAL “CASK”

62.0%

Jas. Gordon & Co.

 

香り:気持ちの良いモルト香。葡萄、パッションフルーツ、ドライオレンジの皮部分。香木。キャラメリゼ。炒った豆の殻。

味わい:力強い。美味しい。モルトの甘み。フレッシュなフルーツ、葡萄とその皮、オレンジとその皮。ミルキー、スパイシー。ほんの僅かな渋みが心地良く、次の一口を誘う。

空けたグラスからは乾いた麦芽香。良い香り。

好み:★9 96

 

 

雑感:ラベルと同じように。

シンプルに美味しいです。

力強さにびっくりしました。

 

60%を超えていると、60年代蒸留でもここまで味わえるのですね。

 

 

ロングモーン蒸留所は1919年に竹鶴政孝氏が修行させてもらった蒸留所のひとつ。

このボトルのさらに50年前。

その時、氏はどのような香り味わいに出逢ったのでしょうか。

 

 

知る由もない世界を夢想しつつ、このボトルには再び逢いたいと願う次第です。

 

 

 

 

 

追記(21/02/09):

香り:葡萄とその枝。苺やオレンジ、クリームサンド。炒った豆殻、麦芽の甘み。ラムレーズン。少しのハッカ、濡れた若葉。

味わい:力強い。旨味がある。美味しい。

枝付きの葡萄。もしくは葡萄ジュース。フレッシュなレモンやグアバパッションフルーツ。フルーツトマト。フィニッシュにかけてスパイスをひと摘み、高くて遠いところにある樽香と渋みが心地良い。余韻が消えるにつれて、ゆっくりと生クリームが浮かんでくる。

好み:★9 96

 

 

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再び逢うことができました。

 

雑感:まさにナイトキャップという体験。

やっぱり美味しいです。

テイスティングはどうでしょうか? 同じかな?

今の自分はピート寄りに好みが傾いているのですが、このボトルは別格。

笑みがこぼれます。

あゝいいなぁ と。

 

 

 

末尾に印象的な体験を少しだけ。

この日もまた様々な素晴らしいボトルを頂き、素晴らしい時間を過ごさせて頂いたのですが、その体験をしたのはベッドに入ってから。
 
 
ふと気が付くと、まだモルトのよい香りに包まれているような そんな感覚。
 
歯を磨いて シャワーを浴びて ベッドに入って。
時間は経っているのに。
 
 
 
おそらく体内から香りが漏れていたのだと思います。
もしかしたら錯覚だったのかも知れません。
 
ただ、この感覚をずっと味わっていたいと思う気持ちと
いい夢が見れる予感。
あぁまさにナイトキャップだと 感じながら眠りにつきました。
 
 
きっとずっと忘れないと思います。
贅沢な夜をありがとうございました。
 
 

 

 

追記(21/03/02):
このボトルのさらに6年前蒸留のボトルを飲みました。

やはりたまらない芳香。

しかし味わいはこちらが一枚上。

おそらく度数による変化の度合いが影響しているものと考えます。


オールドモルトのハイプルーフ
改めて貴重な1本でした。

 

 

(よろしければ)

 

 

 

 

追記(21/09/05):

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再会できる幸せ

 

香り:葡萄とその枝、グラッパ、ミント。苺やオレンジケーキ。フルーツサンド。パッションフルーツブランデーケーキ

味わい:フレッシュな葡萄、フルーツたっぷりのケーキ。甘く、濃く、存在感がある。モルティ、豊か。甘いシナモン。オレンジクリーム。乾いた木香と渋み。ブランデーケーキ

好み:★9 94

 

雑感:再び出逢えた幸運に感謝です。

やはり美味しい。

 

今回は記憶のそれより柔らかくなっていた印象でした。

クリーミー、フルーツというよりもケーキっぽくなったような。。

でもまったりとはしていなくて、多層的。

 

複雑な折り紙細工のよう。

 

 

気持ち良いモルトです。

 

 

 

 

追記(22/11/05):

追記し損ねていました。

 

香り:葡萄、炒った豆殻。フローラル。苺ジャム、ニッキ。乾いた煙草。

味わい:枝付きの葡萄、グアバとレモン。メロンの皮。メンソール。苺。なにも付けずに焼いたトースト。土甕の香り。

好み:★9 96

 

 

雑感:前回味わった3~4ヶ月後の記録です。

モルティで、複層的なフルーツ感はそのまま、

その中に乾いた焦げ感を拾えたことが印象的でした。

 

土甕の香り は自分の中では、マイナスの表現ではなくて好みのもので

時代を経た内陸系のピートに由来するものと推察しています。

 

 

古のクライヌリッシュ(ブローラ)にもあるものだったりするのでしょうか?

 

 

 

 

 

イチローズモルト 秩父 10年 2009 モルトドリームカスク Friends 摩幌美

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ラベル情報:

Ichiro's Malt CHICHIBU

Malt Dream Cask for Friends of Mahorobi

Cask in : 2009.November

Bottled in : 2020.September

Cask No : #537

Cask Type : Bourbon Barrel

Barley :  Tipple

ABV : 61.8%

Friends -Pub MAHOROBI in JAPAN Est.1978-

摩幌美 2020 Member Only

 

香り:ハイトーンな樽香。ナッツの甘いオイル。イチローズ特有のオリエンタルな雰囲気。香木、クレヨン、バターちっくでもある。バナナチップス。柔らかいスパイス感。

味わい:ピリピリとしたスパイス、強いシナモン。まったりとした果実感、バナナ、カラメル、濾したマンゴー。ドライトマトも。高い香木と生木の皮。少しの土の香り。

足腰がしっかりとしていて元気が良い。

好み:★8 83

 

 

雑感:十年十箇月、一度もサンプルを抜かずに熟成!

樽買いされたボトルは多々あれど、一度もサンプルを取らなかったものは貴重でしょう。(というか他に存在するのでしょうか)

 

仮に自分が個人で樽を持っていたとしたら、、、ムリです。

その時の変化を愉しみたいし、最終的にボトリングした時のものとも比較したいと考えてしまいます。

それらの誘惑を超えて存在するボトル。

凄いです。

 

 

一度も開けられなかった故かどうか、樽感が強いモルトになっています。

でもそれが元気の良さに感じられて。

 

ファースト・テンよりも個性が尖っていますが、それが愉しいボトルです。

 

 

 

 

追記(21/09/05):

香り:柿、モルティ、ドライデーツ。スパイス。ナッツのオイル。ハッカ油。奥の方にバナナ。オリエンタルな木香が心地よい。

味わい:濃く、腰がある。ドライバナナ、ドライクランベリー。上品な家具。シナモン。イチローズのオリエンタルなあの香り。香木。干柿のミルフィーユ、土の香り。乾いた木の香りが長く。

好み:★8 84

 

 

雑感:開いて美味しくなっていました。

前回感じたシナモン等のスパイスのアタックがこなれていて、樽由来のものでしょうか甘みが豊かになっていました。

良い変化。

 

樽にいる間、一度も開けられなかったモルト

新鮮な空気を味わってのびのびとしているのかな。

 

 

次回伺ったときにはまた同じボトルを味わえるでしょうか。それとも次のボトルに移ってるかな。

 

どちらにしても、自分の記録と記憶を浮かべながら飲み比べをしてみたいですね。

(もう売り切れてる可能性は考えないようにします笑)

 

 

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また出逢えたら嬉しい。

 

 

 

 

追記(23/07/18):

 

 

香り:軽やかな樽香、蜜飴。ナッティ。バナナチップス。蠱惑的な樽香。白胡椒。カスタードクリーム。

味わい:ナッツとスパイス。バナナ、赤い果実の酸味。ビロード調でオリエンタルな樽香。蜂蜜がけのナッツ。蜜飴。甘くスパイシー。

好み:★8 86

 

 

反芻:違うボトルに変わっていました。

当然ですね。

でも残ってくれていたことに感謝です。

 

過去の自分のノートと比べても、大よそは同じものを拾えていると考えます。

腰がしっかりとした美味しいモルトです。

 

また飲みたいな。

 

 

 

摩幌美にもだいぶ間が空いてしまいました。

半年以上開けたのは初めてかも?

 

日中は上高地をトレッキングしつつ、日が暮れたら… なんて素敵ですよね。

 

 

 

 

 

スペイサイド 21年 1996 Friends 摩幌美40th

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ラベル情報:

SPEYSIDE

21 YEARS OLD

Distilled in : 1996

Bottled in : 2018

Matured in : HOGSHEAD

50.0%

For Friends -Pub MAHOROBI in JAPAN Est.1978-

LIMITED EDITION BOTTELING

摩幌美 40th Anniversary

BERRY BROS. & RUDD

 

香り:硬い桃、あるいは熟した林檎。ほんのりとシナモン系のスパイス。まっすぐとした樽の香り。若葉。ファイバーパイナップル、アプリコット。若さと円熟み、それぞれのフルーツ感が同居している。

味わい:スパイスとフルーツ感。強めのシナモン、白胡椒。ドライピーチ、ドライマンゴー。ミルキーかつナッティ。若木の皮を剝いだ香り。フィニッシュに土の印象。フルーツ感豊かでありながら、スパイシーでドライな印象に仕上がっている。

好み:★7 78

 

【オフィシャルのテイスティングコメント】

りんご、梨などの果樹園にきりっとしたレモングラスのアロマ。
味はリコリスのコクのある甘みに爽やかなミントで、かすかな土っぽさが奥行きを与えている。
加水するとホイップクリームの柔らかな甘さが浮き上がる。

 

 

反芻:“梨” や “レモングラス” にも納得いきます。イメージは和梨というより洋梨でしょうか。

ホイップクリーム” もなるほどです。開けて時間が経っているからかな、加水するまでもなく余韻に感じられるような。

 

 

雑感:ハイランドにあるスペイサイド蒸留所。

1990年から稼働しているまだ新しい蒸留所です。

ちなみに建設は着工が1962年で竣工が1987年。地元の石工ひとりで進められたとか!

リアルマインクラフトですね。

 

 

ボトルは松本の名店 摩幌美の記念ボトルになります。

自分も酋長に素晴らしい時間をたくさん頂いている場所です。

 

離れると、改めて自分がどれだけ貴重な場所にいたのか分かります。

転勤先でも新しいお店の出会いがあって、それはもちろん貴重なものなのですけど。

 

 

これからもよろしくお願いします。

と遠くから〆てみます。