ポートセルミの箱

ウイスキーのテイスティングをつらつらと。整理整頓中。

ラガヴーリン ダブルマチュアード 2015ボトル

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ラベル情報:

LAGAVULIN

THE DISTILLERS EDITION

DOUBLE MATURED

BATCH NO. lgy. 4/504

ISLAY SINGLE MALT SCOTCH WHISKY

DISTILLED 1999

BOTTLED 2015

43%

 

香り:籠った煙、枝付きレーズン。深く吸い込むとメンソールが鼻腔を刺激する。潮気、海藻、ヨード香。スパイシーな赤ワインの余韻。

味わい:濡れた落ち葉、海辺の焚火。レーズン、熟しすぎた林檎、バニラ、焦がした砂糖。赤ワインちっく。白胡椒。はっきりとではないが常に低い位置に牛舎の印象を覚える。

好み:★6 65

 

 

雑感:煙とレーズンが鎮座するボトル。

ペドロヒメネスシェリー樽で仕上げられた1本です。

トータルの熟成期間はおそらく15年。前回の12年とは落ち着きの度合いが全く違います。(ただこれは、加水による影響が大きいかと)

 

 

こちら、自分としては苦手な記憶があって離れていたボトルでした。

以前飲んだ際に獣臭を通り越して糞のような香りを拾ってしまいまして。

 

今回改めて飲むとスモーキーなシェリー樽として飲みやすく、拍子抜けしてしまいました。

あれ?ってなったくらい。

テイスティングコメントに牛舎を挙げましたが、無意識に自分から探しにいってしまったのかも。予備知識を消して味わうのはなかなか難しい。。。

 

 

改めて飲みなおして良かった1本です。

ただ加水故かな? 少し頼りなくも感じてしまいました。

 

 

 

ラガヴーリン 12年 2015ボトル

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ラベル情報:

LAGAVULIN

LIMITED EDITION

ISLAY SINGLE MALT SCOTCH WHISKY

AGED 12 YEARS

BOTTELED IN 2015

56.8%

 

香り:フレッシュな麦芽感。草原。乾燥した牧草。アルコールの刺激。青林檎、火薬、メンソール。

味わい:潮気、苦味。針葉樹。瓜系に通じる青っぽさ、メロンの皮近く。焚火の残り火、灰。メンソール、消毒液、塩素。微かにミーティ。ケミカルな甘みがゆっくり残る。

好み:★6 65

 

 

雑感:鋭い印象の1本です。

毎年販売されている 12年 カスクストレングス のリミテッドエディション。

ラガヴーリンというと、自分は獣っぽさをイメージするのですが、その要素は薄いです。

12年ですが、青さや若々しさの印象が強く、ハイプルーフということもあり鋭く口蓋を刺激します。また、樽由来の要素も拾えません。

ただニューポッティかというと全くそうではなく、不思議な味わいです。

でも鋭い印象なのは本当。

 

ロックにすると豊かな煙を愉しめます。オススメ

 

 

 

ラガヴーリン

上記情報からは省いてしまいましたが、ラベルには PORT ELLEN の表記があります。

おそらく、ポートエレン精麦所のモルトを使用しているからと思いますが、他のアイラ等蒸留所のボトルにはこんな表記ありません。(よね?)

となると、単純に住所の話なのでしょうか??

 

個人的にはスモーキーなボトルというと、ラフロイグではなくラガヴーリンが浮かんできます。

オフィシャルスタンダードが16年という長さもあって。好きな蒸留所です。

 

 

 

ジュラ 1975

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ラベル情報:

Jura

DATE OF DISTILLATION 15/October/1975

Cask No. 2620

STRENGTH 60.9%

 

香り:葡萄、桃、ライチ、フルーティ。微かにピート、木の生皮。

味わい:熟した果実感。桃、洋梨。葡萄の皮、オールドモルトの旨み。乾燥した麦芽。低い音のマスカット、パッションフルーツ、杏。煙草、ピートがアクセントに。余韻にタンニン、力強いスパイス。キレがある。

好み:★9 94

 

 

雑感:力強く甘くじっくり。

美味しいです。

この1本でJURAのファンになってしまう程。(でも逆にがっかりしたくないので現行品へは二の足踏んでしまうかな)

 

 マシュー・D・フォレスト セレクトの1本。

 

 

 

 

スプリングバンク 12年 赤アザミラベル

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ラベル情報:

SPRINGBANK

CAMPBELTOWN SINGLE MALT Scotch Whisky

AGED 12 YEARS

46%

 

香り:麦らしさ。優しいピート。苺ジャム、レモングラス

味わい:葡萄。ミルクサンド。苺、レモン、枯草。

好み:★8 80

 

 

雑感:衝撃的な旨さではないが、これをナイトキャップに愉しめたら幸せだろうなという1本。

90年代流通のオフィシャルボトルです。

モルティでほんのりとピート、飲みやすく旨い。身近に置いておきたくなります。

 

ちなみに、このボトルも潮気は拾えませんでした。

ミルクサンドとも感じるような優しい甘さが中心。

 

 

現行品でこのような方向のボトルはあるのかな。

スプリングバンクでなくても。

 

広く探していきたいです。

 

 

 

スプリングバンク 21年 ダンピーボトル

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ラベル情報:

SPRINGBANK

CAMPBELTOWN MALT

21 years old

46%

 

香り:豊かにモルティ。青草、折った枝。

味わい:葡萄。コーヒー、苺、蜜柑。フレッシュなフルーツとオールドモルトの甘み。生食パン。籠った煙が漂う。

好み:★8 88

 

 

雑感:[頑固一徹、「オリ」と「色」が天然の証]

裏ラベルに記載されている一文です。

文体に時代を感じますよね。

この後、6行に渡ってオリが出る事、色がボトルごとに違うことを説明しています。

現代では、ノンチルフィルター&ノンカラーの一言で済ませる話ですが。それがまた良い味を出しています。

 

古い本には蒸留所の名前を “ラガヴリン”  “ブナハーベン”  “カオル・イーラ” 等と表記しているものもあり、それもまた古書を読む愉しみだったりします。

 

 

ちなみに、長い時間が経たなくても表記は変化するもので

スポーツの世界ではサッカーのトルシエ監督、来日当初はトルシェやトルーシェと呼ばれていました。

野球選手のカブレラも、キャブレラという時期があったり。

ほんの数年、短い期間にも変わっていたりします。

 

現地のイントネーションに合わせるべきという時勢があったり、逆に言い易さが優先されたり。

その時々に合わせていつしか変化・整理されていくんですよね。

 

 

 

閑話休題

このボトル、塩っぽさが全くなく、美味しい麦のお酒でした。

なるほどです。

これならモルトの香水と呼ばれるのも分かるかも。

 

逆に、なぜ近年のバンクは塩の味がするのでしょう?

このボトルが例外なのかな??

また識る楽しみが出来ました。

 

 

 

 

レダイグ 22年 1997 スリーリバーズ ダンス:阿波踊り

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ラベル情報:

LEDAIG

SINGLE MALT SCOTCH WHISKY

AGED 22 YEARS

DISTILLED : 1997

BOTTELED : 2019

51.8%

THE DANCE

3Rivers

 

香り:海の香り、薬品香、葡萄、苺ジャム。メンソール。ビスケット。焚火、いぶりがっこ、煮干し。若葉。

味わい:底の方にあるフルーツ感と海辺の焚火。苺、ライチやマスカットも。海辺の焚火、煤。埃、古びた家具、煮干し。ミント、レモングラスが微かに。余韻には燻製肉。

好み:★7 76

 

【オフィシャルのテイスティングコメント】

香り:スモーク、メンソール&レモン柑橘、スモークしたじゃがりこ

味わい:シャープで酸味あるスモーク、香ばしいトースト、レモンキャンディー、フィニッシュはホットでスモーク&ペッパーに心地よい酸味。

 

※通販サイトより

 

反芻:いぶりがっこと “じゃがりこ”、全く別物ですよね。響は似てるのに(笑)。

全体的におおよそ合っていると思うのですが、酸味を示せていなかったな。何かに例えようとしすぎて、シンプルに表現することが抜けているようです。

 

 

雑感:スリーリバーズのダンスシリーズ 第29弾 阿波踊り

一心不乱に踊り続ける男性の阿波踊りの姿を20年以上熟成した骨太スモーキーモルトと重ねた、男の素朴さと力強さのイメージとのこと。

実際その通りで。臭みとのとれる味わいが癖になる良い1本と思いました。

美味しいというより旨い。

 

少し前になりますが、ウイスキープラスのミニボトルのレダイグも旨かった記憶があります。

アイラモルトとは奥行きの方向が違いますが、スモーキーモルトのブランドとしては自分の中でかなり上位。ファンになりそうです。

 

 

ちなみにスリーリバーズとは、サザエさんに登場する三河屋さんが由来だそうです。

その言葉選びのセンス、素敵ですね。

 

 

 

トバモリー 11年 ウイスキーフープ

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ラベル情報:

TOBERMORY

Aged 11 Years

Distilled on 06.07.2006

Botteled on 01. 09.2017

Matured in a 1st Fill Sherry But

Cask No. 900152

64.3%

Signatory Vintage Scotch Whisky

THE WHISKY HOOP

 

香り:香り高い木香、新しい家具、シェリー樽。アルコールのアタックが鋭く。チョーク。まだ青いメロン、チョコレート。レモンピール。

味わい:古い木の香り、樽香、渋み。ビターチョコレート。生クリームが少し。やや硬い印象。ニガヨモギアブサンのような複雑なハーブのニュアンス。白胡椒。皮製品のような余韻が短くふっと消える。

好み:★6 65

 

【オフィシャルのテイスティングサークル】

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whiskyhoop.com

 

反芻:言葉でなくイメージ図なので判断が難しいのですが、自分の感想とはズレているなと感じました。

具体的には、Sweet が最高値で Wood が低めという評価が自分と真逆でした。樽が勝ち過ぎていると感じたので。

自分なら Wood が最高値と取ります。(自分が Wood の意味を取り違えているのかも知れませんが)

 

 

雑感:ドライでキレがあって力強い、上質なシェリー樽熟成のボトルです。

トバモリーらしさや麦芽のお酒らしさは薄く、シェリー樽熟成のウイスキーを楽しみたい時の1本かと。(そこに重点を置くならもっと高評価になると思います)

 

口に残るハイプルーフシェリー樽由来の甘みとビターさをゆっくり愉しめます。

 

 

ロックにしても美味しいけれど、せっかくならストレートがオススメ。

加水してしまうと個性も薄くなってしまうように感じました。